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【判例紹介】 借地人の会社の持分と営業一切の譲渡が借地権譲渡に当たるとされた事例

2007年02月09日 | 借地権

 判例紹介

 土地賃借人である有限会社の持分及び営業一切を新たな経営者に譲渡したことが、土地賃借権の譲渡に当たるとされた事例 東京高裁平成5年12月15日判決。判例タイムズ874号210頁以下)

 (事案)
 土地3筆をAから賃借しその土地上に建物を所有する有限会社Yは、その会社の持分全部を営業一切が旧代表者から新代表者Cに譲渡された後、この土地所有権の譲渡を受けたXから建物収去土地明渡の訴えを起された。

 Xらは持分権全部譲渡は賃借権の無断譲渡であると主張し、右行為は信頼関係を破壊するとして契約解除を主張した。

 Yは、無断譲渡を否認し、Aの相続人A'から承諾をえていたから、Xらの本訴請求は権利の濫用であるとして争った。

 1審は、持分権の譲渡は法人格の変更ではないから、賃借権の譲渡にならないが、YはB個人の会社からC個人の会社になり、信頼関係が失われたと認め、Xの請求を認めていた。

 (判旨)
 「本件は、単に控訴人会社の代表者の地位がBからCに変更されたというものではなく、控訴人会社という個人的有限会社の経営者であるBが、その持分全部を含め控訴人会社の営業の一切を新たな経営者であるCに譲渡して控訴人会社から手を引いたというものであり、右譲渡の前後を通じて、控訴人会社の法人格は形式的には同一性を保持しているとはいえ、控訴人会社ごとき小規模な個人会社においては、賃借人経営者と地主との個人的な信頼関係に基づいて不動産賃貸契約が締結されるのが通常であり、経営者が経営から完全に撤退して新経営者が経営を担当し、不動産を使用するに至ることは、その実質に着目すれば、旧経営者から新経営者に対し賃借権の譲渡がなされたものというべきである

(寸評)
 以前にも紹介したが、本件判決と同旨の判例が、この種の事案の主流のように思われる。
 賃借権の譲渡という実態を、法人格の同一性という形式にかかわらず評価していくという見方が定着しつつある。いわゆる法人成りの場合の判例の傾向とは異なっているのでご紹介した。

(1995.07.)

 (東借連常任弁護団)

 

東京借地借家人新聞より

 

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