東京・台東借地借家人組合1

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【判例紹介】 貸共同住宅で隣人に嫌がらせを繰返し賃貸借の信頼関係破壊とした例

2006年05月29日 | 建物明渡(借家)・立退料

 判例紹介

 共同住宅の一室の賃借人が共同生活上の秩序を乱し近隣の迷惑となる行為をしたとして契約解除が認められた事例 東京地裁平成10年5月12日判決判例時報1664号)

(事案の概要)
 、Yら2名(50代と40代の男女)は平成7年7月、Xから鉄筋コンクリート5階建てのマンションの506号室を賃借して入居した。

 、Yらは入居直後から隣室505号室の住人に対し、同室から発生する音がうるさいなどと執拗に抗議を続け、夜中に両室の間の壁を叩くなどし、また、505号室入口の扉を強く足で蹴飛ばしたりした。一方、505号室の住人は平成4年に入居した幼児1人のある夫婦共働きの家庭であり、Yらが入居するまでは両隣りから音がうるさいなどと苦情をいわれたことはなく、Yら入居後も従前同様、夜9時には子供を寝かせ、朝、家族全員が起きて出掛けるという生活を送り、夜中に騒音を発したことは全くなかった。しかし、505号の住人はYらから執拗な抗議を受け、夜、壁を叩くなどの嫌がらせを受けたためYらと深く対立することになり、平成8年5月退去した。505号室は以後空室のままである。

 、Yらは隣室の507号室の住人(公務員の独身女性)に対しても同じように音がうるさいなどと何回も怒鳴ったり壁を叩くなどした。この住人も恐怖感を募らせ平成7年11月に退去した。

 、Yらは平成8年1月に507号室に入居した夫婦に対しても音がうるさいなどと大声で怒鳴ったりした。右夫婦はXの取り計らいで402号室へ移転した。

 5、Xは505、507号室の入居者の募集を仲介業者に依頼したが、506号室のYらの言動が噂になって斡旋を受けられず、今もって空室のままである。

(判決要旨)
 Yらは、隣室から発生する騒音は社会生活上の受忍限度を超える程度のものではなかったのであるから、共同生活における日常生活上通常発生する騒音としてこれを受容すべきであったにもかかわらず、これら住人に対し、何回も執拗に音がうるさいなどと文句を言い、壁を叩いたり大声で怒鳴ったりするなどの嫌がらせ行為を続け、結局これら住人をして隣室からの退去を余儀なくさせるに至ったものであり、Yらの右各行為は、本件契約の特約において禁止されている近隣の迷惑となる行為に該当し、また、解除事由とされている共同生活上の秩序を乱す行為に該当する。そして、両隣りの部屋が長期間空室状態でXが多額の損害を被っていることなどの前記事実関係によれば、Yらの各行為は賃貸借における信頼関係を破壊する行為に当たる。

(雑感)
 実はYらは本件の訴えを起こされて北区借地借家人組合に相談に来た。しかし組合はYらの主張の正当性にいま一つ自信が持てなかったので前の事件の弁護士に依頼するようすすめた。判決の認定事実の下においては結論は当然であろう。

(1999.10.)

(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より

 

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