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At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Make Her Mine / Hipster Image

2005-07-23 | Rock
伝説のモッズ・バンド、Hipster ImageによるMake Her Mineという曲の99年に出された日本盤12インチ。僕は当時この曲がリバイバル・ヒットしたことは良く知らないのですが、どうやらリーヴァイスのCMに使われていたみたいですね。僕には馴染みのない60's UKのモッズなのに、この曲に関しては素直にカッコいいと思えます。鮮烈なホーンとグルーヴィーなビート、おまけに若干やる気のない白人ヴォーカルと来れば僕の好み一直線と言った感じ。ロックとして聴くよりもクラブ・ジャズとして聴いて素晴らしいです。僕は基本的に打ち込みビートよりも生音の方が好みなのでA-2のオリジナルが気に入っていますが、サンプリング&コラージュでクラブ仕様に変換したA-1のThe Readymade All That Jazzも悪くないです。ジャズというかこの当時流行っていたラウンジ~ボッサと言った感じで、どことなく打ち込み時代のNicola Conteを彷彿させるようなクールなビートと、ナレーション気味なスポークンが決まっています。僕の持っている小西康晴氏のイメージとは若干違う雰囲気。どちらかというと須永さんのイメージに近いです。基本的には派手だけれど、どこか冷めている感じもありつつ大人びたクールな印象が特徴的で格好いい。キラー・モッズとはこういうことを言うのでしょうか?ちなみにそこそこの人気盤らしく、最近のリリースにしては結構な値段をつけている店もあるのでご注意を。こういう最近の盤に高いお金を払う必要は僕はあまりないと思います・・・。

Don't Cha Wanna Ride? / Joss Stone

2005-07-12 | Rock
このブログ的なジャンル分けだと、こういう曲ってどこに位置づければ良いのかイマイチ分からないのだけれど、とりあえず去年辺りに世界中の音楽ファンを震撼させた天才少女による限定7インチです。アルバム自体のリリースはたしか去年で、大手の外資系CDショップなどでプッシュしていた記憶はあるんだけれど、そこからのカットとなるこのピクチャー仕様の7インチが出たのはわりと最近の話。正直僕自身アルバムのジャケには見覚えがあったものの、このシングルがリリースされるまできちんと聴いたことありませんでした。そしてたまたまJet Set下北沢で目に留まり試聴してみたら、これが個人的に大当たり。今さらYoung-Holt UnlimitedのSoulful Strutだなんて反則級の特大ネタ使いだとは思うのですが、ここまで上手に料理されたら降参というしかないです・・・。純粋なロック・ファンやR&Bファンよりも、サバービア~フリーソウルが好きな人が歓喜しそうな2005年版のAm I The Same Girlというしかない好内容。かく言う僕もこういうタイプのネタ使いには本当に弱いです。この7インチは限定らしいですが、アルバムは多分少し大きなお店に行けばどこでも買えると思うので、ぜひ聴いてみてください。久々にクラブ畑以外の新譜に心を動かされました。

Thank You / The Pale Fountains

2005-06-07 | Rock
1982年にリリースされた彼らのメジャーでの1stとなるシングル盤。ネオアコの代名詞としてAztec Cameraなどと共にその手のファンに名を馳せる彼らの初期代表作として、おそらく古くから人気もある有名な作品ですが、これが本当に素晴らしい。全体を包み込むような美しくも優しいストリングスときらめくピアノ、さらにはサビで入ってくるトランペットに瑞々しいマイケル・ヘッドのヴォーカル・ワークに至るまで奇跡的な輝きを放っています。ネオアコ=青春ポップスというありがちなイメージに見事ぴったり当てはまる作品。あいにく僕は82年にはまだ生まれていないのですが、それでも曲を聴いているとどこからともなく懐かしさを感じてしまうから不思議ですね。タイトル通りですが全ての人に「ありがとう」と言いたくなるような清々しさ、そして彼らの音楽への思いが瑞々しく曲全体を覆っています。マニアの方以外も、ネオアコなんて時代遅れだなどと言わずにぜひ耳を傾けてみてください。フリッパーズ・ギターなんかが好きな人にとってはマストです。ちなみにアナログではこの7インチとジャケ違いの12インチ、それからピクチャーディスクがリリースされているよう。いずれにしてもシングルのみですが、それほど労することなく見つけられるはずです。青春の淡い思い出に浸りたい時にはオススメ。

Our Favorite Shop / Style Council

2005-05-23 | Rock
前述の1stアルバムMy Ever Changing Moodsに続くスタカンの2枚目。最近ジャズ系ばかり紹介してたので少し雰囲気がガラりと変わるけれど、こういうポップな音楽はやはり僕は好きです。My Ever Changing Moodsの世界観をそのまま引き継いだポップなB-4のLuckや、思い切りボッサ風AORなA-2のAll Gone Away、さらには哀愁のアコースティック・ワルツであるB-2のDown In The Seineなどなど聴きどころは多いですが、僕が特に気に入っているのはB-5のWith Everything To Lose。イントロからもうフリーソウル魂全開といった感じな煌きのボッサ・ミーツ・ポップスで、とにかく音作りがオシャレ。ホーンやフルートの入りやキャッチーなメロディ・センスに至るまで、僕如きからしたら本当に脱帽というしかないです。たぶん一生かかってもこんなアレンジは思いつかないでしょう・・・。適度なテンポなのでブラジリアン・ジャズなんかに混ぜてのクラブプレイもアリかと思われます。後のAcid Jazz~UK Soulにも繋がっていったであろうB-3のThe Lodgersもアーバン・ファンキー・メロウなデュエットで傑作。全体的にB面の出来がいいので、片面丸ごとかけてても全く苦にならないです。安くてどこにでもある盤だと言って見逃していると痛い目にあうかも?ぜひチェックしてみてください。

Privado / Ananga-Ranga

2005-05-19 | Rock
ポルトガルのプログレ・バンド、Ananga-Rangaによる80年リリースのLP。僕はこの手のジャンルに関しては全くの素人なので詳細は分かりませんが、おそらく相当なレア盤のはずだと思います。僕自身が探しに探してようやくゲットした盤なので・・・。基本的に演奏能力が高いので全曲そこそこの水準でカッコよく、A-5のEstranhaやB-1のタイトル曲のようにフュージョンとして聴いて良いと思える曲もあります。しかし、やはり須永氏のテープに二度も収録されたB-4のLibraが圧倒的にカッコいい。ムーグが飛び交う不穏な雰囲気の前奏から突如始まる怒涛の高速ブラジリアン・パート。ギターとサックスとドラムスのみによるアンサンブルなのですが、これがとにかく筆舌に尽くしがたい素晴らしさ。最もこのパートが終わると再び前奏同様の不穏なアンビエントパートに戻ってしまい、正直なところ曲構成に関しては完全に謎なんですけれど、それにしてもとにかくこの高速ブラジリアン・パートはカッコいい。ブラジリアン特有の緩さが一切なくて、ギターもサックスもドラムスも本当にキレた演奏を繰り広げています。今までブラジリアンにしても数々の曲を聴いてきましたが、これほど僕の趣味に合うものは他にないような・・・。ユニオンのプログレ館とか行ったら意外に普通にあるんですかね?まぁ「普通に」はないかもしれませんが、それでも探す労力を惜しまずに是非見つけて聴いてもらいたい名曲です。ちなみにその須永氏がDouble Standardにて掲載してますね。同じくレア度★★★★のSvante Thuressonなんかに比べて全然見ないんですけど・・・。

Goodnight Tonight / Wings

2005-04-18 | Rock
ビートルズを解散した後にポール・マッカートニーが新たに組んだバンド「WINGS」による79年の12インチ。熱狂的なビートルズ・ファンには何を言われるか分かりませんが、僕は正直ビートルズ時代の曲よりも圧倒的にこちらの方が好き。ポール流のAORディスコと言った感じでしょうか?まるで山下達郎のLoveland, Islandな冒頭のスパニッシュ・ギターから完全に持っていかれる爽やかでグルーヴィーなナンバーです。ポールの声が典型的な白人声だから、ディスコといってもそれほどブラックっぽくないし、むしろBPMが早めのロックやAORと一緒にかけたら気持ちいいかもしれない。歌のメロディも綺麗でなかなかに込み上げます。ビートルズのファンよりもむしろサバービアのファンにこそ聴いてもらいたい一曲ですね。ちなみにオリジナル・アルバムには未収だそう。なにせポール・マッカートニーなので何かの形で確実にCD化はされていると思いますが、どこに入っているのかという詳細は知りません。12インチの方ならばおそらくそれほど労せず手に入れられると思います。あっ、ジャケ違いで7インチも出ているみたいですがそちらはショート・ヴァージョンなので、どうせ買うならばこちらの12インチをお勧めします。なぜかリラックス誌ではノン・ジャケで紹介されていますが、きちんとジャケ付きオリジナルありますよ。

Driving Away From Home / Its Immaterial

2005-04-16 | Rock
最近、少し興味が出てきた80年代UKニューウェーブ。まだまだこの辺の知識は全然浅く分からないことだらけなのですけれど、とりあえずコレはとてもカッコいい曲。4つ打ちのビートの上に妖しげなカッティング・ギターやオルガン、それから男性スポークンと女性コーラスが乗り続けるというシンプルな展開ながら、これが大ハマりしています。オルガンバーのテープで始めて聴いた時は違和感を感じたけれど、聴いていくごとに病みつきになっていくような中毒性のある曲。まさに夜の道を疾走しているかのよう。トラックの印象をそのまま投影したようなジャケット・ワークもまた良いですよね。ちなみにレコード屋のキャプションによるとハウス系のDJにも古くからクラシックとして知られている曲らしいです。こういうレコードってその筋の店に行けば比較的簡単に見つかるのかもしれませんが、少なくとも僕自身は店頭で見たことは今回自分が買ったので初めてです。やっぱりジャズとかソウルとかレアグルーヴを主流に置いてある店ではなかなか目にしにくいものですよね。カップリングとなっているB-1のA Crooked Tuneも雰囲気が違いますがなかなか好きです。ちなみにこれは12インチですがアルバムだとCDでもリリースされているそう。見たことはないですが一応HMVの検索で引っかかります。

Something / Anything? / Todd Rundgren

2005-04-08 | Rock
出ました、無敵のポップス・オタク。どうしようもないくらいの才能に満ち溢れた20世紀を代表するミュージシャンであるTodd Rundgrenの72年のアルバム。A-1のI Saw The Lightは洋楽の定番と言ってもいいでしょう。フリーソウル期に再評価もされましたが、ポップス・マニアの間では再評価も何も元から確固たる支持を得ていた曲です。Cafe Apres-Midiのコンピに収録されていたD-3のHello, It's Meも哀愁溢れるカフェ・ロックと言った感じで素晴らしい。これも当時から人気がある曲です。そして僕がこのアルバムで最も気に入っているのがA-2のIt Wouldn't Have Made Any Difference。夕暮れ時に一人で聴いていると優しい気持ちになれるメロウなブルーアイズド・ソウル傑作です。考えてみれば72年の時点でここまでAOR的な曲を作っていたというのがそもそも凄いですよね。しかも彼はマルチ・プレーヤーであり多重録音を駆使して一人で全部の楽器を演奏してしまってますから、もうその才能にはただただ脱帽です。内向的な子どもだったらしいですけれど、やっぱりこういう天才ってのは常人にはなかなか理解できない感性を持ち合わせているのでしょう。僕には決して到達できない境地です・・・。

Naked Songs / Al Kooper

2005-04-02 | Rock
夜中の3時を過ぎた頃になって初めて聴く気になるAl Kooperの大傑作アルバム。ジャンル的にはロックのカテゴリーに分類されていますが、フリーソウル・クラシックスとしても有名ですね。ゴスペル的なA-1の(Be Yourself)Be Real、そしてブルースっぽいA-2のAs The Years Go Passing Byという二つの佳曲を通過して、大本命なA-3のJolieが登場。ホワイトソウルの最高峰と橋本徹氏は評していますが、僕としてはソウルミュージックと言うよりむしろ白人アーティストのバラードというカテゴリーで高評価です。アルバムジャケットとも見事に合った究極のバラード。イントロからラストまで聴くたびに失われた心の奥のロック精神がひどく刺激される一曲。なぜかイエローモンキーに夢中になっていた中学生の頃を思い出します。永遠に好きと言い続けられそうな素晴らしい名曲です。サビの分厚いコーラスの熱唱も堪らなく気持ちがいい高揚感。そして忘れてはいけないのがB-4のWhere Were You When I Need You。Saturday In The Park風のピアノリフに突如ハモンドオルガンが炸裂するイントロがとてつもなくカッコいい一曲。コレ聴いてカッコいいと思わない男とは友達になりたくないです。最近またまたCDで再発たようですが、何気にアナログはオリジナルのみでレアな一枚。

Stone Alone / Bill Wyman

2005-03-28 | Rock
The Rolling Stonesで一番静かな男と評されていたベーシスト、Bill Wymanによる76年の2ndアルバム。オールディーズに影響を受けたカントリー~ロックンロール・サウンドがカッコいい。実際にオールディーズのカヴァーも2曲収録していて、このアルバム中ではその2曲が特に輝いているように思います。まずはイントロを飾るA-1、A Quarter To Three。突き抜けるような爽快感と賑やかな演奏、そしてBill Wymanの弾けた歌声といいオールディーズ感抜群です。そしてフリーソウルでも大変な人気となったB-4のIf You Wanna Be HappyはBrady BunchのI Believe In Youにも通じる究極の1曲。とにかくピースフルな演奏とバック・コーラスの中で歌うBill Wymanの姿が目に浮かぶよう。こういう雰囲気のバンドに囲まれて歌うことが出来たならば、どれだけ幸せだろうかと思います。しかもバック・ミュージシャンもかなり豪華だしね・・・。比較的安く手に入れることが出来るアルバムですが、店によってはそこそこ高値をつけていることも。特にフリーソウル系のレコード屋だとムダに高い。こういうアルバムはディスクユニオンやレコファン辺りのロック・コーナーで地道に探すのが良いかと思います。ちなみに僕は500円くらいで買いました。