(前回からの続き)
ということで、昨年末にツイートされたロシアのメドベージェフ前大統領の「2023年の10大予想」は、原油1バレル150ドル到達→ユーロ・ドルの準備通貨としての流通・役割の終了→ユーロ圏ではドイツ(「第四帝国」?)とフランスとの間で戦争が勃発、アメリカでは内戦の末にテキサスとカリフォルニアが独立・・・と、荒唐無稽・・・とは正反対の、実際にそうなりそうなリアリティを強く感じさせる内容となっています。
そして、これらは本ブログで書いてきた将来予測と多くの点で合致しているため、個人的にも大いに同意できるところです・・・っても、そこは上述のとおり、かの国々がもはや「真性インフレ」(実質マイナス金利環境が永続する状態→当該通貨の信認喪失…)から抜け出せないことから、本来なら誰が予想したってこんな感じになるはずですが・・・(?)
で、そんな真性インフレの果てに?同氏は「代わってデジタル法定通貨(digital fiat currencies)が流通するようになる」と予想・・・。う~ん、どうでしょうかね。たしかに、上記のとおり諸悪の根源はインフレだから、それを解消すべくインフレ通貨に堕ちたドルやユーロ等を排除してデジタル仮想通貨に転換していく、という考え方はアリでしょう。仮想通貨、とりわけビットコイン等は、こちらの記事に書いたように、インフレ(≒通貨の過剰流通)を生まないような制度設計が為されていますから。
ですが・・・これまた同記事でも述べたように、通貨の様々な機能や使われ方などの観点からすれば、ビットコインなどの仮想通貨は、原則デジタルだけ、という点も含め、やはり扱い難いといわざるを得ないでしょう。であれば、これらは同氏が予想するほどは流通等しないのではないでしょうかね。ましてや、これらを法定化する、なんてことは、ちょっとね・・・って、ドルの準備通貨としての劣化加速に嫌気がさした?一部の国にそうした動きは見られますが・・・
そのあたりはむしろ、アナログ・デジタルのいずれの形態でも対応し、いつでもどこでも(品質世界一な)モノ・サービスや他通貨と交換可能、そして・・・何といっても(本来、つまり市場メカニズムに委ねれば)インフレに強い(信認の厚い)通貨のいっそうの台頭(&価値上昇)・・・のほうがずっと現実的な流れかと思われます・・・ってそんな通貨、どこかにあったような気がしますがね。まあ同氏は、だからこそ、最大の金融市場は欧米から・・・アジアに移っていく、等と予想しているのでしょう・・・ってことは、それって、まさかの中国は「人民元」?それこそ荒唐無稽でしょ・・・