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【IMF、返済能力のないギリシャに融資継続のトホホ・・・】これから始まる?真のギリシャ危機⑥

2018-09-01 00:00:44 | ヨーロッパ

前回からの続き) 

 本来IMFは、先述の理由から、債務不履行が懸念される国に対しておカネを拠出してはならないはず。したがってIMFは、穴の開いたざるに等しい(?)ギリシャに対して新規ローンをこれ以上供与しないのはもちろん、これまでの融資金を早急に回収して後をEUに託し、同国支援の枠組みからとっとと退出すべきでしょう(?)。

 しかしながら、トホホなことに(?)現実にIMFは前回ご紹介のショイブレ独財務相の言葉に反論できません。そのとおり、ギリシャのデフォルトに対する耐性がないのはIMFとて同じ。実際にGrexit(ギリシャのEU離脱)等になったとき、これがドイツをはじめとする欧州各国の銀行群ばかりか、アメリカ金融システムにも深刻なダメージを及ぼし、最終的に(日本を除く?)世界中の金融危機を引き起こしかねないためです。この破局、IMFがギリシャを見放したことが発端にならないとは限りませんからね・・・

 ということで、IMFはこれからも2~3年おきにギリシャにおカネを注ぎ込むことでしょう、しかもより多くの額を(?)。もちろん、建前だけでも出資者利益をちゃんと守る姿勢を示す必要があるので、一応はリラクタントな態度をとるものの・・・結局はこれまでと同じように、わたしたちの血税・・・などが無駄に(返される当てもなく)投入されるわけです。これらのうちどのくらいが、50代でリタイアしたギリシャ人の年金の支払いに充てられるのでしょうか・・・(って、大半は国債償還に回るのだろうが・・・)

 3年前の上記3次支援が取り沙汰される直前、ギリシャは民間投資家でもなくEUでもなく、よりによってIMFのローンの返済に窮しました。これ、弁済順位がもっとも高く、絶対に返さなければならない借金・・・って、同国はそれすら返せないくらいのスッテンテン状態にありました。そして今の状況も当時と大して変わってはいないはず。つまり、かの国は、債務返済のための「追い貸し」を必要としている、ということです。そして、そのIMFの割合が・・・上記理由から、今後は増していくような(イヤな?)予感がするわけです・・・

 以上をまとめると、EUの重債務国ギリシャに対する金融支援が「終了」することは、けっしてあり得ないどころか、むしろ同支援を強化する必要があり、かといって債務減免=債権放棄はできないために、EUそしてIMFは新規のおカネを同国に融通し続けるしかない、ということになりそうです。この際、上記事情からIMFの関与も高まるでしょうが、やはりまずはEUのESM欧州安定メカニズム)マネーが同国に供与されることになるのでしょう。でもこれとて先行きが厳しいのは先に綴ったとおりです。なのでEUは近い将来、ESMの「ギリシャ色」を薄める意味でも、その資金の増強に乗り出すのではないか、と考えています。

(続く)

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