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【やはりユーロ圏はギリシャを切れない・・・】ギリシャが教える金(ゴールド)の大切さ④

2015-03-05 00:03:15 | 金(ゴールド)

(前回からの続き)

 そうこうするうちに先月20日に開催されたユーロ圏財務相会合(ユーログループ)でギリシャ救済融資の4か月間の延長が事実上、決定しました。一部にこれはユーロ圏各国がギリシャに対して改革実行を強く迫ったものだという見方がありますが、わたしは以下の点などからこれは逆に債権者側が債務者である同国に対して大幅に譲歩したものだと考えています。ギリシャのゴネ得がまかり通り、ドイツを筆頭としたユーロ圏諸国がそれをしぶしぶ認めた、といったところでしょうか・・・。

 第一に、上記4か月の支援延長が決定されたのが2/20と、ギリシャ側が今後の改革案を提出する日としていた2/23の前だったということ。つまり、その案の中身がどのようなものかろくに見もしないうちから、ユーログループはギリシャに対してあと4か月間はおカネを貸しますよ!と言ってしまったわけです。借り手のギリシャにしてみればこれで楽勝です。良し悪しはともかく「宿題」を提出しさえすれば、この夏までの資金繰りは保証されるわけだから・・・。実際、そのあたりの安心感からか、ギリシャが改革案を出したのは提出期限ギリギリの2/23深夜となったうえ、その出来栄えは案の定(?)、IMFのラガルド専務理事が「全体的に具体性に欠ける」と天を仰ぐほどの低(?)レベル・・・。ギリシャからすれば「出しゃいいんだろ」くらいのものだから、まあ当然ですね。

 第二に、ユーロ圏は2/20の上記会合の前からギリシャのユーロ圏からの離脱(Grexit[グレグジット])は認めないと言明していたということ。報道によれば、上記2/20会合の前に開かれた2/17の欧州連合財務相理事会の席で、イギリスのオズボーン財務相がユーロ圏の財務相に「プランB(グレグジットを想定した対応)の準備はできているのか」と尋ねてヒンシュクを買ったのだとか。で、これを受けたユーログループのデイセルブルム議長(オランダ財務省)がオズボーン氏に対し、ギリシャがユーロ圏にとどまる以外の選択肢はない、と応えたそうです。同国チプラス政権との厳しい交渉の直前だったのだから、本来は「提出される改革案次第ではプランBも検討せざるを得まい・・・」とでも発言して彼らにプレッシャーをかけなければならなかったはずにもかかわらず・・・。

 以上のような状況から言えるのは、ユーロ圏諸国には、はじめからグレグジットのシナリオはない・・・というよりは、そのシナリオを用意することができない、ということが上記2/20の会議で誰の目にも(もちろんギリシャにも)明らかになったということだと思っています。それはこちらの記事に書いたとおりで、もはや債権者はギリシャを切ることができないくらいに同国にカネを貸し込んでしまい、そしてギリシャはそれを見透かしている、ということ。

 だからギリシャ問題のこの先は・・・ことあるごとにギリシャは改革に取り組んでいる「ふり」をしてカネを無心(あるいは借金の棒引きを要求)し、債権国側は(自国の納税者をなだめるために)同国に厳しい対応をしている「ふり」をしてその理不尽な要求に応じ続けていくしかない・・・といった感じでしょう。上記のIMFラガルド氏の芝居っぽい(?)「渋面」なんてその典型。ずいぶん前にこちらの記事に書きましたが、IMFは約束不履行を繰り返すギリシャ支援からいいかげん手を引くべきだと考えているのですが・・・。

 ともかく、両者間の歪みが持続不可能となるまでのわずかの(?)間、そんな問題の「先送り」が続くことになりそうです。

(続く)

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