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【政権変わっても伊にはEU依存・従属しかない】イタリア、世界的金融危機の発火点となるか④

2016-09-21 00:01:43 | ヨーロッパ

前回からの続き)

 経営危機にあるイタリア3位の大手銀行モンテ・ディ・パスキ・ディ・シエナ(モンテ・パスキ)ですが、いよいよカウントダウン状態に入ったもようです(?)。先述のような資金調達・不良債権処理プランが浮上ているにもかかわらず株価は下げ止まらず、0.22(9/14)→0.20(9/16)ときて、足元(9/20)は0.18~0.19ユーロにまで落ち込んでいるほか、ブルームバーグ報道によれば同銀行債の価格も同プラン公表後の安値を更新したとのこと。このあたり、マーケットが同救済策の実現性とか同行の資金繰りに強い疑いを持っていることの表れといえそうです。

 おそらく近日中、モンテ・パスキに何かが起こるでしょう(?)。その何かが何であれ、イタリアの当局がやることはどれも有権者の猛反発を受けるものになりそう。ベイルインであれば大損をすることになる株主や債権者が「われわれの資産をどうしてくれる~!」、いっぽうのベイルアウトであれば納税者の多くが「どうして放漫経営をした銀行の救済に公金を使うのか!」といった具合に、それぞれ怒りの声をぶつけるということです、現政権に・・・

 ・・・こうしてレンツィ首相らは退陣に追い込まれ、総選挙が行われることになったりして(?)、その結果、政権の座に就くのはまさか「五つ星運動」?・・・って、この政党、単にイタリア国民の欲求不満の受け皿になっていただけで、モンテ・パスキに象徴されるイタリア経済最大の問題―――過剰債務&不良債権問題にどう向き合うというのか、明らかにしていません。そのあたりがポピュリスト政党だなんて揶揄される所以に思えます。

 それに五つ星運動は英国みたいにイタリアでもEU離脱の是非を問う国民投票を実施するといっているみたいだけれど、その結果、離脱賛成票が多数を占めたらどうする気なのでしょう・・・。本稿で綴っているように、そしてこちらの記事でも書いたとおり、イタリアは近いうちにモンテ・パスキ破綻(って、これは数日中か!?)を含めた金融システミック危機に陥るのは必至の情勢で(?)、これに対処するには自国の財政資金ではまったく足りず、結局はドイツ他EU圏の仲間にすがりつく以外にない―――具体的には、欧州安定メカニズムESM)とか欧州中央銀行におカネを融資してもらうしかないわけです(?)。そんななか、五つ星運動が上記国民投票にあたって安易なEU懐疑論を振りまき、有権者の反EU感情を煽った結果、本当に脱EUが決定し、ESMへのアクセスが遮断されたら・・・間違いなくイタリアは逝ってしまう―――金融システムは崩壊し、銀行の株主、債権者、預金者、そして納税者といったすべての国民が資産の大半を失って同国の経済社会は大混乱に・・・(?)

 ・・・まあ五つ星運動だってEUから離れた場合は最悪こうなるかも?くらいの想定はするでしょうから、政権を取ったら現実路線に多少は転換するような気がします。具体的には、EUに留まりながらも、財政赤字達成目標のハードルを下げよ、とか、ESMのマネーを直接、金融機関に注入することを認めよ、と訴えるとか・・・

 ・・・って、そんな虫のいい要求、EU加盟各国とりわけドイツが飲むわけがなく、結局イタリアは、政権党がどこになるかにかかわりなく、EUのいまのルールに縛られるしかない、つまりイタリア国民にはいまの厳しい緊縮財政等を甘受する以外の道はないでしょう・・・(?)

続く

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