世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
ご訪問ありがとうございます。

意味の無い日本国債の格付け②

2012-05-20 00:01:18 | 世界共通

前回からの続き)

 これに対して、ドイツやギリシャなどのEU諸国の国債や、アメリカ以外の国が発行するドル建ての国債などはしっかり格付けを行う意味があると思っています。なぜなら、これらの国債は償還資金の確保のために「外貨」を調達しなければならないからです。

 自国通貨建て国債の場合は、返済資金が不足すれば最後の手段である通貨発行権を使って自国通貨を発行できるので、返済リスクに限ればリスクフリーといえるでしょう。外貨建て国債の場合はそうはいきません。もし外貨を調達し切れなければ債務不履行=デフォルトとなってしまうわけだから、当然、返済リスクが発生します。リスクが生じればそのリスクを測る尺度、すなわち格付けに存在価値が出てきます。

 EU諸国の国債に格付けの意味があるという理由は、これら諸国の通貨発行権が欧州中央銀行(ECB)に移管しているからです。別な言い方をすれば、PIIGS諸国、ドイツやフランスなどを含めたすべてのEU諸国は通貨発行権を持っていません。つまり、EU諸国は、自らには発行権のないユーロといういわば「外貨」を調達して国債の償還を行うことになっています。「外貨」建ての国債であれば返済リスクがあるし、「ドイツ国債:AAA」や「ギリシャ国債:C」といったように、それらの返済リスクに応じた格付けが投資家に必要とされるのも道理と思います。

 もっとも、まもなく、早ければ今年の内に、ECBは掟を破って(?)PIIGS諸国の国債を大量に引き受けてユーロを大増刷するか、それとも通貨ユーロの信認を保つため何もせずにこれら諸国の一部(第1号はギリシャ?)のデフォルトを座視するかの、いずれかの厳しい選択を迫られる局面を迎えるでしょう。

 さあ、ECBはいったいどうするのでしょうか?

 どちらにしても、ECBもPIIGS諸国関連債権の放棄へ→ECB資産が毀損→ユーロ暴落・インフレ率急上昇、といった流れは止め難いとみています。

続く


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 意味の無い日本国債の格付け① | トップ | 意味の無い日本国債の格付け③ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

世界共通」カテゴリの最新記事