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【金現物と先物の価格差拡大(現>先)は今後の現物価格暴騰を暗示か】金の現物、まもなく市場から消滅か?③

2020-07-13 00:04:51 | 金(ゴールド)

前回からの続き)

 前述のように、ゴールド)の価格が上昇を続ける中、今後の金市場を暗示する(?)ような出来事が起きました。金の現物価格が先物価格に対して急騰するという局面が現出したのです。金の取引はおもに先物はNY市場で、現物はロンドン市場で取引されていますが、3月中旬、NY先物価格とロンドン現物価格との間に一時的とはいえ1トロイオンス当たり100ドル近いほどの大きな価格差が生じるという異常事態が発生しました。これ、新型コロナウイルス感染拡大の影響でスイスにある金精錬会社が操業を休止したこと、また金塊の輸送を担う航空便が減少したことなどから、金の現物の融通が滞り、市場間の取引が困難になって生じたためとのことです。これに加え、一部のトレーダーがNY先物市場で現物受渡取引に群がったことも現物価格の押し上げに寄与したもよう。同履行時に約定どおり金現物を引き渡せないと現金を上乗せして支払わなくてはならないわけで、金の現物の調達に苦しむ売り手(銀行)の足元を見透かした、あざとい(?)手口といえそうです・・・

 といった事情から、いつもなら数ドル程度の金の現先価格差が、そのときは一気に100ドル近くまで拡大したという次第です。とはいっても、これ、上記のように、こうなるような条件がたまたま特定の時期に重なったために起こった一時的な現象といえるかもしれません。実際、その後、市場の動揺は(表向き?)収まったようで、両者の価格差は一気に縮小し、現在ではこれまでと同じレベルに落ち着いている・・・というより、先物価格のほうが現物価格よりもおおむね少し高くなっているという、いつもの金市場に戻っている感じがします(?)。

 ・・・が、近い将来、金市場ではふたたび同じ事態が、もっと大きなインパクトで起こるでしょう(?)。つまり、金の現先価格差が100ドルに拡がる・・・なんて生易しいものではなく、現物価格が暴騰し、先物価格は暴落する、というものです。以前のこちらの記事に書いたとおりです。上記3月のケースでは、市場参加者の一部が、ブリオンバンク(bullion banks:金を取引する銀行)からキャッシュをよけいにかすめ取ろうという意図で?金現物を確保しようとしましたが、次に予想される局面では、彼らも含めて皆が純粋に、かつ我先に金現物をゲットしようと現物市場に殺到するためにその価格が跳ね上がり、いっぽうで先物は見向きもされないのでその価格は急落することになります。ようするに、いまスポット(現物)で金塊をつかんでおかないとフューチャー(先物)ではけっしてそれを入手することができなくなる・・・くらいに金価格が急騰してしまう!ということです。その理由は、いまさらいうまでもありませんが、キャッシュすなわちドルの価値と信認が著しく低下するしかない?ためです・・・

 上述3月中旬の事態は、本ブログで警戒?している先物価格暴落とは、やや?違う理由で起きているといえます・・・が、いっぽうでその根底には、金現物に向かおうとする巨額マネーのマグマを感じます(?)。これが現物価格を暴騰させ、先物価格を暴落させるのも、きっと間もなくなのでしょう(?)。ちなみに、5月下旬のトムソンロイター報道によると、ブリオンバンクがNY先物市場(COMEX)でのポジションを減らしてロンドン現物市場にシフトしようとしているとのこと。これ、3月局面を受けて各行がロンドンの保管庫からNYに金塊を輸送するコスト等の負担を嫌気したためですが、この動きも、金は現物重視!(金先物市場の機能低下そして・・・)の流れを加速させるものだと考えています。

(続く)

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