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ヨーロッパで存在感を増す金(ゴールド)②

2012-11-23 00:02:38 | 金(ゴールド)

(前回からの続き)

(2)南欧の重債務国、金を放さず!

 「11月中にも資金枯渇か?」などと報道されているように、ギリシャは現在、国債の償還や借り換えなどで綱渡りの資金繰りを余儀なくされています。これまで何度も厳しい改革等の実施を約束させられながらも、ギリシャは国際通貨基金(IMF)や欧州連合(EU)などの国際支援機関からの融資を勝ち取り、何とか無秩序なデフォルトやユーロ離脱を回避しています(ギリシャ債権者である民間金融機関等の「自発的な」債権放棄ですでに多額の借金の棒引きをしてもらっていますが・・・)。

 そんな「金欠」のはずのギリシャですが、実はいまだに110トンあまりの金(ゴールド)をちゃっかりと保有しています。現時点での時価で5000億円を上回る金額になります。借金返済に追い立てられているギリシャとしては、のどから手が出るくらいキャッシュがほしいところ。であれば、国債償還などに必要なユーロ資金を確保するために、ギリシャはとっくの昔にこの金を売り払っていてもおかしくはないはずです。にもかかわらずギリシャは2007年以降、公的に保有する金の売却を停止して、債務不履行のおそれが高まるなかで相当量の金の保有を続けています

 金を手放そうとしないのはギリシャに限りません。いわゆるPIIGS諸国の一角・ポルトガルもそうです。ポルトガルもギリシャと同様、昨年5月、緊縮財政などの支援プログラムの実行と引き換えにIMFおよびEUから総額780億ユーロの融資を受けています。そしてポルトガルもまたこのプログラムの目標達成が危うくなっています。

 そんなポルトガルですが、383トンもの公的な金準備を現在も持っています。時価にすると約1.8兆円近い額です。ポルトガルは人口1060万あまり。2011年のGDPはギリシャよりもやや小さく1700億ユーロ(約17.8兆円)程度で日本(約468兆円)の4%に満たないという規模。それほどの小さい国であるにもかかわらず金準備はギリシャのゆうに3倍以上、そしてわが国の公的金保有量765トンのちょうど半数程度を所有する、(IMF・ECBを除く)世界でも12番目くらいのけっこうな金保有国となっています。そしてポルトガルも2007年以降はこの金を一切売っていないようです。

 この2カ国以外の南欧の重債務国ではスペインが280トンあまりの金をいまだに持っています。公的な金保有国別ランキングでは十分にトップ20に入る位置です。そして何といってもスゴイのがイタリアです。イタリアの金準備量はこれら3カ国とは桁違いの2452トン。アメリカ、ドイツに次ぐ世界第3位の金保有大国です(約2800トンのIMFを除く)。そしてギリシャ・ポルトガルと同じように、スペインやイタリアもまた深刻な債務危機に陥り、資金調達や借金の支払いが難しくなっているにもかかわらず、これまでのところ、返済原資を得るために金を売ろうといった動きを見せていません・・・

(続く)


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