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ヨーロッパで存在感を増す金(ゴールド)③

2012-11-25 00:03:21 | 金(ゴールド)

(前回からの続き)

 本稿の前段で書いたように、現在、はユーロ建て価格で史上最高値にあります。そのため巨額の借金負担にあえぐ南欧の重債務国にとっては、ここで金を売って資金を確保し、借金の返済に備える、といった選択肢があるはずです。

 それにもかかわらず彼らはなぜ金を売らないのでしょうか。

 まず考えられるのは、現時点でいくら金価格が高止まりしているといっても、彼らが抱える借金の額は、たとえ手持ちの金をいますべて売り切ってもとうてい支払いきれるものではない、という点でしょう。FT紙によれば、PIIGS諸国の金準備の総額は、現時点でこれら諸国の債務残高の3.3%程度にしかならないそうです。だから彼らは、国際社会から資金融資を得られるうちは、今後値上がりが予想される金は売却しないでしっかり手元にキープしておこう、という判断を働かせているのかもしれません。

 次に指摘できることは、これら諸国政府による金の取り扱いの裁量には限度があること。彼らの公的な金準備を実際に管理しているのは政府(財務当局)ではなくて中央銀行であるうえに、欧州各国の中央銀行は現在、1年間に売却できる金の上限量を400トンに制限しています。ということで、いくら政府が金を売りたいと思っても、各種の取り決め等による制約で、政府がそれを中央銀行に促すことが難しくなっているのだろうと思われます(金を管理している中央銀行が政府から独立した存在であることはたいへん重要な意味を持っていると思います)。

 まあ真の理由が何であれ、欧州の重債務国が、厳しい資金繰りのなかで、相当量の金の保有を現在も続けているという事実はもっと注目されていいと思っています。自分たちがハードな緊縮財政を受け入れる苦労を差し引いても、金(ゴールド)に執着することには十分なメリットがある、ということを、これら諸国が示唆してくれているといえるからです。彼らはうすうす気づいているのではないでしょうか。自分たち(の放漫財政)が原因でユーロが崩壊したとき、真に価値があるものが何かということを・・・。

 「たとえエーゲ海の島々を(トルコに?)売る羽目になっても、金だけは絶対に放さない!(ギリシャの本音?)」もっとも彼らが金を一切手放すことなくデフォルト宣言や借金棒引きを要求することに世界中の債権者がいつまでも黙って応じるかどうかは分りませんが・・・。
(米ニュース雑誌「TIME」の関連記事のURL:http://www.time.com/time/world/article/0,8599,2080813,00.html

(続く)


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