世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
ご訪問ありがとうございます。

【利下げそしてQE4で中銀機能を失う?FRB】中央銀行はインフレファイターであるべきだ③

2019-06-13 00:03:28 | アメリカ

前回からの続き)

 先述した理由から、FRB(米の中銀)は次回(6/1819)のFOMC(連邦公開市場委員会:金融政策決定会合)で、個人的な予想では60%の確率で利下げは見送る(現状の政策スタンスを維持する)とみています。他方、40%程度の確率で利下げをするかも、と推測するものですが、これは前記した「政治介入」―――金融を緩和して株式市場を盛り立てたいドナルド・トランプ大統領のあからさまな(?)要求―――にFRBがついに屈するから・・・ではなく、いまのアメリカを支えるには、もはやそれ―――低金利環境―――しかない、とFRBが観念するため、だと思っています。

 本当は・・・FRBには金融の引き締め(利上げ等)なんて不可能、言い換えると、いまの米経済が高金利環境に長いこと耐えられるはずがないことは、もうずっと前から分かり切っていることです(?)。そのあたりの理由はこちらの記事他で何度も書いてきたとおりです。それでもここまでFRBが(できもしないことを承知で?)利上げを進めた(FF金利の誘導レンジを2.252.50%にまで持ち上げてきた)のは、市場に対してFRBが金利、より正確には長期金利(新規発行10年物国債金利)をコントロールできる能力があると思わせたいため。個人的には、FRBはよくここまで頑張ってFF金利を上げてきたものだよ、って感じがします(・・・が、ここでFRBに勘違いしてほしくはないのですが、これができたのはFRBの実力・・・ではなく、こちらの記事に書いたように、日銀のおかげなんですけれどね)・・・

 ・・・でも、しょせん無理なものは無理、といった頃合いなのでしょう、そろそろ。それはマーケットの督促やトランプ氏のツィートなどにも表れているわけで、まあ次回のFOMCで見送られたとしても、遠からずFRBは我慢ができずに利下げに踏み切るはずです。

 ・・・ってもアメリカでは、直近(5月)の消費者物価指数(CPI)が対前年同月比で1.9%などと、インフレの兆しがあるとはいえないから、FRBが景気を刺激するために利下げをするという理屈も成り立つのでは?といった見方もあるかもしれませんね。たしかにCPI等ではインフレ傾向はそれほど現れてはいません・・・が、スゴ~いインフレが目の前で起こっているわけですよ、株、債券、不動産などの資産価額において。これこそ、つまり資産バブルこそFRBが金融引き締めによって制御しようとするべき巨大インフレの正体であり、そして実際には制御ができないわけです。せいぜいできることは、上述のように、(日銀が黒子を演じてくれるおかげで?)さもコントロールができるかのようなフリをするくらいです。したがってどのみちFRBは、これまでのように資産インフレを煽り立てる方向、すなわち利下げそして・・・4度目のQE(量的緩和策:FRBが債券等を大量に買い入れて低利マネーを市場に吐き出すこと)に進むしかありません。これはFRBがトランプ氏らの政治的圧力に負けた・・・からではなく、単に米経済を破局から救うにはそれ以外の選択肢がないためです。

 こうしてFRBは、中銀の本来の役割であるインフレファイターを演じることができなくなり、その存在意義を徐々に失っていくことになります(?)。そしてアメリカ・・・の大多数の国民は、資産バブルのさらなる膨張で家を持つことがますます難しくなるとともに、(QE由来マネーによる石油等の商品投機によって)激しくなるインフレに生活を蝕まれて、没落していくことになります・・・(?)

(続く)

金融・投資(全般) ブログランキングへ


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【インフレ政策に手を染めた... | トップ | 【「緩和競争」の敗者は「緩... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

アメリカ」カテゴリの最新記事