このあたりの指標はいろいろと注目でしょう。が、どうなっていきそうかは何となく読めますが・・・
アメリカがいま、虚しい努力をしているさまは最近のこちらの記事を含めて何度も書いているところですが、そのあたりがいちばん色濃く出るのが同国の不動産価格なのかもしれません。つまり・・・それをもう上げるわけにはいかないし、かといって下がるのは絶対にNGだし、上りも下がりもしないってのも難しいし、じゃあどうすればいいの?で、結局は・・・といった具合。どうしようもなくなってきた、ということ。
で、このほど、上記の様子が窺える数値が現れました。6月の対前月比の価格変動率です。そのあたり最近ではこちらの記事を含めて以前から何度か引用しているS&Pケース・シラー住宅価格指数(S&P Case-Shiller U.S. National Home Price Index[全米住宅価格指数] :2000年1月の値を100)によると、6月の値は308.183で、5月(306.375)からは0.59%の上昇となりました。ここで、その何がどうなのか、ですが・・・
やはり、この上昇率が、直近では2020年3月(対前月上昇率0.58%)以来の「小ささ」だったということが最重要の着目点でしょう。これを言い換えると・・・同年4月から今年の5月までの2年間は、アメリカの住宅価格の対前月上昇率はつねに0.6%を上回ってきたということになりますね。そのなかでも、ついこの間に当たる今年3月が2.59%、同4月は2.30%と、少なくとも過去10年間で見て最大の上昇率、そして前年比の上昇率(20.6%)も本データの採録が始まった1987年以降で最大を記録したばかり・・・だったのが、6月には上のとおり、という結果になっています・・・
ちなみに、同指数は2000年1月(100)からちょうど「20」年をかけて約2.1倍(2020年1月:212.435)になっていますが、それからたった「2」年とちょっと(2020年1月→今年6月)で約1.5倍に膨張しました・・・
これらから、アメリカの不動産価格は一貫して上昇トレンド、とりわけ2020年の春から直近までは月間の上げ幅で2%以上(ってこれ年間ではなく月間ですので、念のため)を示すくらいのスゴい騰勢にあることがよく分かる・・・からこそ上記6月の「ブレーキ」がいかに急であったかもはっきりと感じられるところでしょう。では、同価格にこうした異様な動きをさせている最大の要因は・・・