庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

新自由主義の経済ではブラック企業を生みだす最悪の制度だ。

2016-02-08 | 経済問題

日本がバブル崩壊以後に、「国の将来像を見失って」からは、経済政策のほとんどは誤りを繰り返してきた。

技術力は世界の一流であり、国民は世界最高レベルの勤勉さでありながら、なぜ経済停滞を繰り返して「長期のデフレ」に陥ったのか。

それは、政治家と経済専門家の盲目的な新自由主義経済の信奉である。

その理論のもとに、企業の経営のベースを短期的な収益の追求と、株主利益と優先する潮流に流されてしまったことによる。

つまり、日本の企業経営の目指す方向を、【ブラック企業を最強にする制度】を作ってしまったからである。

 

企業競争を活発にして、収益性の良い企業を勝ち残らせるのが、「新自由主義経済」のベースの理屈である。

従業員の待遇などはお構いなしに、「生産性の向上」を最大限に追及する企業経営が優れていると、カン違いをしていたのだ。

いや、「生産性の向上」の意味と、完全に誤った意味に捉えていたのが、政府と経済専門家の愚かさである。

前にも説明した様に、「生産性向上は、一人の人が生みだす付加価値が増加する」ことに、本当の意味がある。

それを、稼ぎだす金額と思い込み、人件費を下げる間違いを犯していたのだ。

 

企業経営者は、同じ土俵で競争させられているから、株主への利益が最大になる様に、従業員はの配分を減らすのが役目とカン違いしていた。

今でも、もうけが出ても内部留保の蓄えることで、景気の変動や先行きの低迷に備えることが、最善の道と判断している。

この内部留保を、従業員への配分に充てることは、企業経営の判断では起きないのが通常である。

だから、異次元の発想によって、内部留保を従業員の給料増加に充てない企業には、累進課税をかける制度をつくるのが、政府の仕事になるのだ。

 

それなのに安倍政権は、内部留保が十分にある上に、利益を最大にした企業には、ご褒美として「法人税の減税」を実施すると、大間違いの政策を実施する。

つまり、【できる限り人の価値を下げる=給料を抑制する】企業をたたえ、新規投資をしないで内部留保する企業経営者が、株主に信任される様にし向けた。

これで、「デフレ脱却を目指す」と言うのは、完全に間違っている。(続)