庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

世界の大きな転換の流れに逆らう経済産業省の愚策だ。

2016-02-15 | 環境問題

経済産業省が日本のエネルギー政策の基本を、「国民に対する説明責任」を怠ってきたことは明白で、2011年3月には実証されたのである。

脱化石燃料依存を転換する方向を、「過剰な原子力発電依存」に偏重した方針としたことが、大きな誤りであった。

国民が原子力エネルギーの将来性に疑問を持ち始めた段階で、『低炭素エネルギー』として、将来の理想に進めるエネルギー源とイメージを作りだした。

それも加えて、安全性に対する備えを、甘い想定の電力業界に迎合して、大事故を引き起こした責任があるのに、未だに明確にしていないままである。

 

国民は21世紀の理想のエネルギー源を「再生可能エネルギー」の大幅な拡大に期待する様になっていた。

その機運に便乗する様に、「原子力発電はCO2排出がない」【低炭素エネルギー】のホープとのイメージ作りをして、民主党政権の主柱政策にしてしまった。

福島原発の大事故後には、民主党内からは経済産業省の言いなりになった反省が起こり、ついには「2030年代には原発依存ゼロ」に国策を大転換した。

自民党安倍政権になってからは、原発がらみの大きな問題を先送りしたままに、『低炭素社会の実現】を再度持ち出して、原発依存を復活させる目論見である。

 

原発に対する信頼性が地に落ちた段階では、国民には見えない様にして、原発依存度は、再生可能エネルギーの普及目標よりも低く見せる工夫をした。

再生可能電力の拡大には、国民各層の大きな要望もあって、最大限の普及を目指すと、「安倍政権の施政方針演説」に盛り込まれている。

しかし、原発依存度を20%以上にすることには、一切触れない様にしている。

この様な姑息な手法を使いながら、「非化石電源は44%以上」との目標を、国民には見えにくい様にして、【原発依存度拡大隠し】に邁進している。

この様な国民を欺くことは、必ずバレルのは明らかであるにもかかわらず!だ。

 

100歩譲って、非化石電源が44%以上を達成できるにしても、化石燃料依存度は56%もあり、そのうちの【26%を石炭火力発電に依存】することが、2030年時点で、国民が納得するとでも思っているのであろうか。

2016年時点でも、すでに国際社会は、「脱石炭火力発電」に向けて最大限の方策を、各国が自発的に講じる流れになっている。

欧州では、石炭火力を抑制するための法制度、税制はかなり進行している。

途上国においても、先般の『パリ協定の採択』後には、変化が起こっている。(続)