安倍政権と経済産業省が。未だに石炭火力発電に力を注いで「経済の活性化」に効果があると思い込んでいるのは、世界の流れに取り残される運命だ。
2015年12月に採択された「パリ協定」の合意の意味を、理解できていない石頭と批判されるのは目にみえている。
安倍政権は日本の削減目標である「26%削減」は、世界に誇れる目標だと自画自賛しているが、2050年の「先進国として80%削減目標」を無視している。
パリ協定の基本は、将来は温室効果ガスの排出は「ゼロを目指す」のが目標だ。
あと30年ほどで、技術的に可能な手段を全て実行しても、20%程度の「CO2排出量」は出さざるを得ないくらいに、困難な目標である。
その困難な課題から、発電コストがわずかに安くできるとの理由だけで、石炭火力発電を増設しようとする意志薄弱な政権が、「挑戦を口にする」資格は無い。
100歩譲って、経済産業省と電力事業企業が、あと10年くらいで「CO2
の分離設備」の技術を実用化できたとしても、「CO2の用途」はみあたらない。
従来の考えでは、「CO2を分離して地下に貯留」する方策が検討されていたが、地震国の日本の国土には、安定して「地下貯留が可能な地層」は殆どない。
その上に、追加の投資が少なく済むような「経済合理性」の優れた技術手段が開発できる可能性はゼロに近い。
つまり、発電を開始した時点では電力利用者の負担は少なくできるかも知れないが、10年20年後には、追加の発電コストが確実に上のせされるのだ。
先進国では、その追加されるコストを負担するならば、今の段階で「再生可能電力」の普及促進に投資をして、新産業として育成する方向に転じた。
アメリカは、CO2排出規制を法制化して、「化石燃料設備」への新規の投資を抑制し、その分を「省エネルギー産業」へ向けさせる事で、経済活性化する。
イギリスは「石炭火力発電」乃木損設備を2025年までに廃止を決めた。
日本の経済産業省と環境省が決めた政策では、「電力事業低炭素社会協議会」を設立して、各社が削減計画を提出する、としただけである。
このような生ぬるい政策では、20年前の京都議定書締結時に「経団連の自主行動計画」にまかせてしまって、結果的に「再生可能電力」では大きく立ち遅れた。
経済の低迷とイノベーションの芽が育たなかったのは、ここに原因がある。
政府が主導した「長期的な達成目標」が確立して、さらに、退出させる産業と「将来を担う新産業」の分野を、明確な国家目標に設定するのが必須である。
これを怠った「自民党の歴代政権」が、日本のイノベーション促進する機運を。邪魔してばかりいたので、今になって、そのツケが回ったのだ。
安倍政権はデフレ経済の弊害を盛んに叫ぶが、自分で新産業にブレーキをかけてることに、気がつかない「愚かな旧産業保護体質」にどっぷり浸かっている。(続)