庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

日本を先進国から脱落させることを目標にしている安倍政権。

2016-02-18 | 環境問題

安倍政権と経済産業省が。未だに石炭火力発電に力を注いで「経済の活性化」に効果があると思い込んでいるのは、世界の流れに取り残される運命だ。

2015年12月に採択された「パリ協定」の合意の意味を、理解できていない石頭と批判されるのは目にみえている。

安倍政権は日本の削減目標である「26%削減」は、世界に誇れる目標だと自画自賛しているが、2050年の「先進国として80%削減目標」を無視している。

パリ協定の基本は、将来は温室効果ガスの排出は「ゼロを目指す」のが目標だ。

 

あと30年ほどで、技術的に可能な手段を全て実行しても、20%程度の「CO2排出量」は出さざるを得ないくらいに、困難な目標である。

その困難な課題から、発電コストがわずかに安くできるとの理由だけで、石炭火力発電を増設しようとする意志薄弱な政権が、「挑戦を口にする」資格は無い。

100歩譲って、経済産業省と電力事業企業が、あと10年くらいで「CO2

の分離設備」の技術を実用化できたとしても、「CO2の用途」はみあたらない。

従来の考えでは、「CO2を分離して地下に貯留」する方策が検討されていたが、地震国の日本の国土には、安定して「地下貯留が可能な地層」は殆どない。

 

その上に、追加の投資が少なく済むような「経済合理性」の優れた技術手段が開発できる可能性はゼロに近い。

つまり、発電を開始した時点では電力利用者の負担は少なくできるかも知れないが、10年20年後には、追加の発電コストが確実に上のせされるのだ。

先進国では、その追加されるコストを負担するならば、今の段階で「再生可能電力」の普及促進に投資をして、新産業として育成する方向に転じた。

アメリカは、CO2排出規制を法制化して、「化石燃料設備」への新規の投資を抑制し、その分を「省エネルギー産業」へ向けさせる事で、経済活性化する。

イギリスは「石炭火力発電」乃木損設備を2025年までに廃止を決めた。

 

日本の経済産業省と環境省が決めた政策では、「電力事業低炭素社会協議会」を設立して、各社が削減計画を提出する、としただけである。

このような生ぬるい政策では、20年前の京都議定書締結時に「経団連の自主行動計画」にまかせてしまって、結果的に「再生可能電力」では大きく立ち遅れた。

経済の低迷とイノベーションの芽が育たなかったのは、ここに原因がある。

政府が主導した「長期的な達成目標」が確立して、さらに、退出させる産業と「将来を担う新産業」の分野を、明確な国家目標に設定するのが必須である。

これを怠った「自民党の歴代政権」が、日本のイノベーション促進する機運を。邪魔してばかりいたので、今になって、そのツケが回ったのだ。

安倍政権はデフレ経済の弊害を盛んに叫ぶが、自分で新産業にブレーキをかけてることに、気がつかない「愚かな旧産業保護体質」にどっぷり浸かっている。(続) 


脱化石燃料の国策を誤り続ける自民党政権の迷走は続く。

2016-02-18 | 環境問題

地球温暖化対策に対して、アメリカの基本政策はオバマ政権になってからは、脱化石燃料依存政策に転換し始めてきた。

前政権のブッシュ大統領は、アメリカは石油中毒だと自虐的に言い放っていたが、脱石油に対しては有効な政策は打ち出さずに、中東の石油に固執した。

その結果がイラク攻撃につき進み、中東の政府を次々に不安定化させて、自己矛盾に陥った最悪の状況の原因をつくったまま退陣した。

これを、中東への石油依存を最小にする政策を、オバマ大統領は粘り強く進めてついにアメリカは、石油の輸入依存から脱することができた。

 

それに対して、日本の自民党政権は、脱石油の手段を「原子力エネルギー依存」に偏重させたために、2011年3月には、すべてご破算になってしまったのだ。

民主党政権では、経済産業省の方針を盲目的に認めてきた反省によって、2030年代の後半には「脱原子力政策」に転換する方針とした。

その割には、脱石油政策には手がつけられずに、消費税増税の公約違反にはしってしまい、国民から裏切りの審判をくだされてしまった。

安倍政権に交代したのは、野田首相の公約違反が原因であったが、エネルギー政策は民主党よりもさらに後ろ向きの転換してしまった。

 

「再生可能エネルギーの普及」には、表向きは最大限の方策を講じて、促進すると言明しているが、有効な政策手段はいっさい、うちだされていない。

守旧派の経済論者たちは、エネルギーのコストは「安価であることが経済に有効」との信念が染み込んでいる。

それ故に、原発を再稼動させることが「経済にとって必要」と、固定観念のようになっている。

更に、発電コストが火力発電のなかで、再安価という理由だけで「石炭火力発電」の新設を「国策として進める」方針を取り続けている。

 

ところが世界の潮流は、「地球温暖化対策」が最重要の挑戦課題となって190カ国以上の合意が「パリ協定」で成立して、一気に「脱化石燃料」に向かった。

なかでも、CO2 排出量が最大になる「石炭火力発電」のは、新興国も巻き込んで、新設を止める方向に動き出している。

世界の主要な金融機関の動きも、石炭火力発電に関係する案件には、融資をしない方向になり始めている。

長期的には、石炭火力発電への投資は、赤字に陥るリスクが高いと見られ始めているからである。

だが安倍政権と日本の守旧派企業は、石炭火力発電が経済性で有利な投資であると思い込んで、新設計画は「経済の活性化」には有効だと誤判断をしている。(続)