安倍首相の施政方針演説では、「挑戦という言葉を連呼」して、経済停滞に沈み込む日本のデフレ状態を、上向かせるためのリップサービスが目だっている。
「新自由主義的な経済政策」に頼ってきた「自民党政権の成長路線」は、富裕層に有利な制度改革ばかりで、肝心の国民の収入は減るばかりであった。
それにやっと気がついたのか、成長に合わせて「適正な分配」を言いだしているが、「同一労働、同一賃金に踏み込みます。」と言い出しただけである。
民主党の政権公約の真似でも良いから、本当にデフレ経済から離脱できる具体的な政策を打ち出してもらいたい。
もう一方で最重要なのは、「世界で最もイノベーションに適した国」にしていく決意であると、言い出している。
どこの国の話かと思うほど、安倍政権の既得権擁護路線からは、かけ離れている空想的な願望である。
「日本がこれからも力強く成長を続ける。その成否は、イノベーションにかかっている。」との断言は、安倍首相の施政方針演説である。
規制緩和をすれば、イノベーションが湧きおこるなどと、甘い想定をしていた2000年代に路線では、世界から大きく立ち遅れてしまった。
イノベーションは、大きな革新を必要とする「世界の潮流」「社会的要求」が、発生した時期を捉えなければならない。
しかし、日本の自民党政権は、再生可能エネルギーへの転換期を見誤り、2000年代に重要なチャンスを完全に逸してしまった。
何故、この重要な時期に、世界のエネルギー転換の潮流から大きく遅れてしまったのか、その原因を掘り下げて対策を打たなければ、掛け声だけに終わる。
日本では、既得権勢力を守ることばかりに、制度も予算も重点が置かれている。
これを大胆に転換できるのは、政権の確固として意思を示すのが基本である。
エネルギー政策でいえば、政府目標で未だに石炭火力依存を大きくしている様では、民間企業は戸惑うばかりで、大胆な投資は決断しない。
再生可能電力の普及量の目標設定を高くして、主力になるまでの間の、【リリーフ電源として原子力発電である】と明確に定めれば、民間投資は活発化する。
そして、次世代の燃料となる水素エネルギー技術の拡大策に向けて、明確な国策を設定して、あらゆる人材と資源を導入する決意を固めることだ。
ゆるぎない目標ができれば、イノベーションは活発化するのである。(続)