庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

格差是正に挑戦する意欲はあっても論戦だけに終わりそう。 

2016-02-06 | 経済問題

安倍政権の経済再生政策の骨子である「アベノミクス」は、完全に色あせてボロボロの錦の御旗になってしまった。

超金融緩和では円安にできても経済再生の恩恵はゼロであり、生活苦だけが押し寄せる層の方が増えるばかりである。

そこで今度は、[一億総活躍]と称して、奮い立たせいる「国民総動員法」に匹敵する制度改革を目指そうという魂胆で、賃金の引き上げに挑戦する様だ。

賃金の引上げを労働組合にまかせていたら、またまた、デフレに戻ってしまうと考えたからであろう。

 

それで、「同一労働・同一賃金」の謳い文句で、十年一日のごとくに「看板だけは掲げてきた連合」では、安倍首相がいいだしたので、動くしかなくなった。

だが、政権交代を果たして公約には、民主党政権では「同じ職場で同じ仕事をしている人の待遇を均等に」とうたったが、何もできなかった。

自民党の公約では、「労働時間に画一的な枠をはめる従来の労働制度を変える」と言いだしていた。

枠をはめないで働く制度が、日本の経済再生と「働きがいに通じて社会で活躍できる」とのご託宣であった。

 

そして今度は、同一労働であれば同じ賃金を保障する「均等待遇」に踏み込んで検討する、と言いだしている。

民主党は、政権交代後からすでに6年半も経っているのに、具体的な法制度を詰める作業もしていないので、今回も与党の案を批判するだけになりそうだ。

自民党のプロジェクトチームも、「何をもって同一労働とする」かも、認識できていないありさまだ。

「出羽の守」の出番かもしれないが、欧米では、「同一労働同一賃金」は定着しているとして、産業別労使の話し合いで決まる。

 

これを安倍政権が目指すわけはないし、働き方に枠をはめないで、「働きがいのあるフレックス制」を目指す様な、甘い想定しかできていない状況だ。

豊かな生活を求める基本は、価値のある有価物を生産、提供して、ゆとりのある生活ができる労働対価を得ることが、経済のベースである。

しかし、自民党政権は、国の未来の目標すらも、幻想的な美しい国と夢見ているだけで、[具体的な政策立案]の基本認識すらも共有できていないのだ。

議論だけに明け暮れる様にせず、まずは非正規社員の給料を上げるのだ。(続)