庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

国民の安心感を取り戻して脱原発エネルギーの価値感を上げる。

2011-05-10 | 快適エネルギー社会問題
中部電力が政府の浜岡原発の全基停止の要請を受け入れた。
これで中部地区は原発ゼロの先進地域となり、21世紀の快適エネルギー時代の先陣を担う。
原発の発電がないと、産業活動の基盤が怪しくなって、経済に悪影響が出るなどと、既成概念にとらわれた一部の人は、データも見ないで騒ぎ立てている。

無理な節電の必要もなし、計画停電などの懸念は一切不要である。
それよりも、不安な原発の運転リスクから解放されて、地域社会が一体感を取り戻せば、活性化の機運が盛り上がり経済は活性化する。
2年間のうちに成果が見える様になれば、3年以後の原発の運転再開を目論むことが、いかに無意味であるかが判るであろう。

さて、この先は他の地域であるが、世の中に公表されているデータからみると、北海道、北陸、中国、四国、九州など、原発を全基停止しても、最大需要電力量を賄える供給力を備えている。
だから原発運転のリスクを抱えるより、脱原発に地域住民の意思が向かえば、このチャンスを捉えて原発停止に向けて動き出す時である。

問題含みの地域は近畿地方で、関西電力の原発を除いた供給力は2912万kWであるが、最大需要は夏場の2956万kWと予想される。
この場合には、強制的な節電が必要と思われるが、そこまでしなくても5~10%程度の節電協力要請を実施して民間の賛同を得ることで、最大需要を無理なく抑制出来る範囲で夏場をしのげる。

この様に、原発の運転を全基停止しても、電力不足による停電の懸念はない。
それなのに、今までの政府や電力会社の宣伝によって、原発への依存が当然の様に思わされてきたので、原発を止めたら停電や経済活動が停滞してしまうと、思い込まされてきた。
原発は必須の主力電源である、との通念は、原発の安全神話と同じ様に、原子力族の既得権を維持して行くための、いうなれば洗脳作戦によってつくられた、誤った観念、思い込みである。

残された地域は東北電力管内である。
地震と津波被害によって、すでに現在でも原発は全基停止中である。
火力発電所の被害による停止もあって、現状では電力不足に陥っている。
これを復旧、復興の活動と地域経済の立て直しを阻害しないような特別の方策が必要であろう。
しかし、原発の再稼働を国が承認しても、地域社会の不信感は短期間ではぬぐえない。
ここは総智を結集して、原発抜き電力で、最大需要電力の時期を迎える冬場までの対策を講じるべきである。

一番罪深い東京電力はどうすべきであろうか。
自分たちの地域には、原子力発電所を一カ所も造らせないで、はるかに離れた福島や新潟に原発を追いやっている。
電力は大量に浪費して、原発の危険性のいやなところは地域外に押し付ける理不尽さであった。
東京電力管内は、この夏場の強制的節電を強いられても文句は言えない責任がある。(以下、次回)