庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

エネルギー敗戦に遭遇して何もできないでいる日本の国会議員。 

2011-05-15 | 快適エネルギー社会問題
日本はまさに【エネルギー敗戦】との言える事態の真っただ中にいる。
東北地方の地震、津波被害の復旧と、復興計画に多大の人材と費用を回さなければいけない状態において、長期エネルギー戦略を根底から見直さなければならない。
福島第一原発の事故後の安定化と、被害状況、破損状態の把握をした上で、原発の運転の安全性を対策した上でなければ、各地の残された原発運転は、大きな反発を受けることは必定である。

東京電力、東北電力、そして、浜岡原発を全基停止した中部電力の管内では、節電対策を一層、見直して社会活動に支障のないレベルの経済活動を確保しなければならない。
その上に、各地の停止中の原発の再稼働は、実現しないと想定した上で、この夏場と冬場の節電政策を今から準備しておくべきである。

その影響は、日本中のすべての電力管内で、発電コストの急激な上昇が予想される。
電力多消費産業は、電力料金が上がれば競争力が落ちるので、国内での生産をあきらめて、海外へ生産拠点の移転を繰り上げて実施する事になる、と早くも脱出の姿勢である。
原発城下町の雇用喪失と、海外脱出産業の増加で、雇用の機会はマスマス減少の一途になる。

この様な雇用破壊危機が進行するというのに、永田町の住民は、未だに些細なことをあげつらって、足の引っ張り合いを行い、次世代産業の促進への政策議論を停滞させたままである。
原発事故の賠償責任をとにかく方針を定めて、開始する事も重要である。
がしかし、直接の被害や、風評被害を受けた地域への一部への効果しか期待できない。
他の【エネルギー敗戦に対する経済的な被害からの復興】にたいして、政策検討が停滞したままでは、日本の長期停滞はさらに延長される。

まず第一に、代替エネルギーの優遇促進策である『再生可能エネルギー発電の全量買取り制度』を、前倒ししてでも早急の実施すべきである。
この制度は、原発停止に代わる、一番有効な政策であることは、今やだれにも異存はない。
しかし、この制度を閣議決定して国会に提出したのが、3・11の原発事故の前の3月上旬であり、2カ月以上もたっているのに、一向に国会での審議もおこなわれず、成立する動きがない。

つまり、原発事故によって、それに影響されて腰の据わらない議員ばかりで、大事な法案の審議すらも出来ないほどのテイタラクの状態である。
エネルギー敗戦に遭遇して、動くべき時に何もできない国会は、責任を放棄しているも同然である。
テレビやマスメディアに登場する専門家や評論家は、原発事故以後は、異口同音に再生可能エネルギーの促進を口にするが、この法制度を早急に成立させて、産業界の活性化を図るべきという議論には、まったく踏み込めないでいる。

情緒的な原発の安全性疑惑を言っているだけでは、産業の活性化は望めない。
今スグにでも!24時間の供給能力のある『地熱発電』の長期拡大政策を実現すべきである。
さらに、このブログで主張してきた『国産材を活用したバイオマス発電』を画期的に拡大する政策を真剣に検討して、長年の停滞から抜け出ることに力を注ぐべき時である。今からでも遅くない!