庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

中部電力の決定は穏当。他の原発再起動には地元の承認で波乱が。

2011-05-11 | 核エネルギー・原子力問題
日本で最も危険性の高い地域にあった、中部電力の浜岡原発は、全基停止に決定した。
原発依存症のひとは、原発の電力抜きでは、日本の経済活動が成り立たない、と騒ぎ立てているが、
中部電力管内では、電力不足が起きる可能性はゼロといってよい。

菅内閣は浜岡原発の停止要請をしたが、他の原発についての運転は認めると表明している。
ここで、原発推進の信奉者は、政府が認めたのだから、定期点検や一時修理のために停止している原発の再起動を、電力会社に進めさせると主張し始めている。
しかし、この連中は原発が立地している地域住民や自治体の意思などは、まったく眼中にない「狼藉者ども」である。

電力会社は地域の住民、自治体に事業経営の基本として、承認を得る義務を負っている。
地元住民と自治体の承認なしには、原発の再起動はあり得ない、と覚悟を決めるべきである。
政府が安全性は大丈夫だからといっても、最悪時の事故リスクは、地元住民と自治体が被害をすべて受けてしまう。
福島第一原発と同じ規模の事故リスクは、半径30km以内の地域はもちろん、それを超えた地域の住民も強制避難を強いられている。
さらに、近隣の自治体やとなりの県の住民にまで、風評的な被害をもたらす危険な代物である。

どの地域までの承認を必要としているかは、今回の福島第一原発の大事故によって、共有された合意点はなくなっている。
浜岡原発は、半強制的に政府が停止を要請というか、命令したから、原発の稼働の承認を採るためのプロセスは一切必要がなかった。
民主主義は、プロセスが重要な意味を持つのだが、再稼働に必要な同意、承認のプロセスをどのように再構築するかは、現状では何も決まっていない。

その様な民主主義の基本もわきまえない、原子力依存症の原発中毒患者は、政府が安全だと言っているのだから、地元住民は黙ってそれを受け入れる、と勘違いをしている。

昨日のブログに書いた様に、基本的には原発を全基停止しても、日本中で考えれば、10%程度の節電対策をすれば、電力需要を賄える発電能力は有している。
原発立地の地元住民が、政府が安全だと言っても、不安が先立つ様では、再稼働を認めることはあり得ない。
もしも、地元の反対を押し切って、再稼働を強行した場合に、どのような事態に発展するか、想定してみると良い。

原発推進派は、いつも悪い状況は起こらないという希望的な見方しかしないから、【原発再稼働を強行した場合の問題発生】の想定が出来ない。
これは津波被害の想定を意図的に甘くしたのと同じ、【想定外依存症】の原子力族の特徴である。
その連中に悪い事態が起きることを想定してみろ、というのは無理かもしれない。
しかし、再稼働を地元の承認なしに強行したら、それこそ社会的な大混乱が起きると覚悟をせよ!