東矢憲二の「気づきの経営」

経営コンサルタントとしての長年の経験を活かして、様々な気づきをご紹介します。
毎日読んでいただくと、心がホンワカ・・・

感動体験

2009-12-01 | 経営の気づき
貴方は、感動的な会社に出会ったことがあるだろうか !
ある会社の、食堂での出来事・・・

長い期間をかけて育成した「信用」であっても、壊すのは簡単である。1日もあれば、過去の信用が全て吹っ飛んでしまう。最近の新聞紙面を見れば、そのような記事は幾らでも載っている。

しかし、「経営風土」は、「信用」と同じく育成には長い年月を要するものの、「信用」のように一気に崩落することはない。会社の風土、即ち、社風は、意識的に長期間をかけて、しかも工夫を施していかなければ、変えることが出来ない。そのように、一旦構築されると頑強に居座ってしまうのが「経営風土」である。したがって、好ましい風土は、その会社の資産として高く評価される。

貴方の会社の経営風土は、如何であろう。居心地の良い風土、人に誇れる風土か。

約3年前、私が仕事で訪問した会社が見事だった。いまは、その仕事は終了したが、いまだにさわやかな風を感じている。

それは、訪れた会社の食堂で食事をしているときの出来事であった。1回目のときは分からなかったが、3回目くらいに、「アッ」と気がついた。食堂のテーブル、一つのテーブルに10人くらい座れる。そのようなテーブルが10個程度あるが、何故か、社員の方たちは、誰かが座っている横に順に座っていく。普通は、親しい仲間がいる横に座り、仲間が周りに集まるという構図になる。しかし、その食堂では、見ず知らずの私がいても、お構いなしに横に座られた。

何故だか分かるだろうか。私は、食堂を3回目に訪れたときに、その理由に気づいた。私の解釈は、以下の通りだ。部署が違っても、他社のお客様であっても、知らない人とともに座り、声を掛け合うことによって、コミュニケーションは高まる。さらに、順にテーブルに座るので、全く汚れないテーブルが幾つか出来、後の掃除が楽であり無駄がない。見事な風土だ。

しかも、社内で誰かと行き違うとき、全ての人が「こんにちは」と気持ちの良い挨拶をして頂ける。しかも、新入社員教育の当日、その新入社員が、私に気持ちの良い言葉と風を送ってくれた。さわやかな風、ありがとうございました。

経営風土の構築支援は、私の得意分野の仕事の一つでもある。自然に流れを任せるのではなく、あるべき風土をイメージして、様々な仕掛けを施す。苦労は多いが、数年後にその成果が見えたとき、それまでの苦労は全て消え失せるから楽しい。