甍の上で

株式会社創瓦 社長 笹原真二のブログです。

7月のマンスリー 古代オリンピックにも不正があった。

2016-07-28 11:08:22 | Weblog
古代オリンピックにも不正があった。
 古代ギリシャのオリンピックも不正があった。紀元前332年、アテネ選手による他選手の買収はその例だ。大会主催者で競技場のオリンピアを治めるエリス人は罰金を科したが、アテネは受け入れない。そこで神託、つまり神のおつげで決着させることにした。
 神から下ったのは、罰金を支払わない限り、アテネ人にはいかなることについても神託を授けないというものだった。やむなくアテネは罰金を払ったという。この競技大会は、鍛えた心身を神にささげる祭典として始まった。神の判定には誰も逆らえなかったというわけだ。
 残念ながら今は、神に仲裁を頼むわけにいかない。ロシアによるドーピング問題で、国際オリンピック委員会(IOC)は自らのリーダーシップを問われた。リオデジャネイロ五輪のへのロシアの全面的な参加禁止を見送ったことには不正に甘いとの声も上がっている。
 古代オリンピックを運営したエリス人は神託だけに頼っていたわけではなかった。大会の時期は都市国家間の争いをやめる約束があり、休戦協定に違反して1000人の兵を動かしたスパルタに、エリスは高額の罰金を科すこともあったという。屈指の強国相手にだ。大国の意向にひるまない姿勢はIOCも見習っていい。     (日本経済新聞 7月26日「春秋」から全文)
 ロシアの女子陸上選手の内部告発から始まった、ロシアによる国家ぐるみのドーピング問題は、24日、WADA(世界アンチドーピング機構)がロシア選手団のリオ五輪への全面出場禁止をIOCに勧告。しかし、IOCは厳しい条件をクリアした選手については容認し、出場の不可は各競技を統括する国際連盟に判断を委ねた。IOCの判断に対しては、「違反していない選手が出られないのはおかしい」という賛同と「五輪の価値に対して大きな汚点を残した」という批判が同時に上がった。違反していない選手が出られないのは同情するが、「国家ぐるみ」という問題が出た以上、WADAが勧告した全面出場禁止という厳しい姿勢で臨んだ方が、将来のためには良かったのではないかと思う・・・
2348年前にも、同じような事件が起こっていたとは・・・いつの時代もオリンピックという舞台でのドラマには喝采が送られる。しかしその陰には、旧東ドイツの女子選手に起こった引退後、ドーピングの後遺症で性同一障害となり自ら命を絶ったと事件もあるという。国家の威光?お金?栄光?の裏に潜む魔物に取り憑かれた人たちとの戦いは永遠に続くのかもしれない・・・
追伸 リオ五輪女子陸上10000m代表に、高島由香が選ばれた。興譲館高校からは、ロンドン五輪のマラソン重友梨佐、5000m10000mの新谷仁美に続いて3人目。8月12日、彼女は夢の舞台で出走する。日本時間午後10時過ぎからのライブ中継、是非応援してください! 2016年7月28日 笹原 真二
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