なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肺炎球菌肺炎

2022年11月07日 | Weblog

 金曜日の午後に、1週間高熱が続く58歳女性が発熱外来を受診した。咳と痰があり、気道感染は明らかだった。

 発熱外来は、新型コロナの抗原定性試験とインフルエンザ迅速試験から始まる。両者をキットを使用しているためインフルエンザの検査もしているが、陽性になったのはこれまで1例しかない。

 この方は両者陰性だった。発症前に同居の孫がヒトメタニューモウイルスに感染したという情報もあった。それに感染した可能性もあるが、日数的には二次的に細菌感染を併発したくらいになる。おそらく肺炎があると判断された。

 胸部X線を撮影すると、両側肺特に左肺に陰影を認める。コロナ自体も抗原定性試験では心もとない。肺炎の範囲を見るためと、コロナらしい陰影がないか見るために胸部CTを行った。

 すりガラス様陰影がややまだらに分布している。黙ってこの画像を見せられたら、COVID-19は鑑別に上がるだろう(むしろコロナと断定するかもしれない)。新型コロナの院内でできる迅速PCR検査も追加した。

 血液検査では、白血球14300・CRP16.2と炎症反応の上昇を認める。数値的には細菌性を示唆するか。新型コロナらしい検査異常はなかった。

 肺炎球菌の尿中抗原が陽性と出た。陰影は気持ち気持ち悪いが、コロナのPCRも陰性だった。肺炎球菌肺炎と判断される。肺炎の入院は個室で治療開始することにしている(後でコロナと判明する可能性があるため)。

 セフトリアキソンで治療を開始して、翌日からは解熱していた。食事も普通食も小盛をほとんど食べられていた。肺炎球菌でいいのだろう。

 ヒトメタニューモウイルスの迅速検査は陰性だったが、ウイルス感染からの二次性細菌感染だろう。

 

 

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