金曜日に消化器科医から、入院している患者さんが急に39℃の高熱を呈してという連絡がきた。
57歳男性が上行結腸憩室炎として入院して、抗菌薬(ゾシンPIPC/TAZ)を開始して解熱軽快していたという。コロナのクラスターが発生した病棟に入院していた。
コロナの抗原定性試験を提出して陰性だったが、病棟の看護師さんからPCRじゃないと、と言われたのだろう。コロナのPCR検査を提出するところだった。
1時間後にPCRは陰性だったと連絡してきた。患者さんの病状は特に悪化していない。呼吸器症状はまったくなかった。ゾシンの薬剤熱かもしれないので、中止して経過をみましょうかということにした。
今日確認していみたが、翌日土曜日の日中に38℃の発熱があり、日曜日は37℃台の発熱で、月曜日の今朝は解熱していた。血液検査で白血球増加は正常域になっているが、CRPの程度は横ばいだった。薬剤熱でもなさそうだ。
この患者さんは前週の日曜日に、嘔気・嘔吐と下痢で救急外来を受診していた(日直は外部の先生)。2日前に温泉での飲食があった。腹痛(心窩部痛~右季肋部痛)もあり、日直の先生(泌尿器科医)が地域の基幹病院に紹介していた。
症状軽快?として帰宅となったそうだ。翌月曜日にそちらの病院を再受診しようとしたが、いっぱいで無理といわれて、また当院を受診した。
上行結腸憩室炎として入院になったが、腹部CT・腹部エコーを見ると、胆嚢内に結石があり、頸部に嵌頓している。胆嚢壁の肥厚はほとんどないが、debrisは軽度にあった。胆石・胆嚢炎のようだ。
炎症(脂肪織の炎症像)の部位はいっしょだったが、胆嚢炎としての所見が弱いので、結腸の方が原因と判断していたのだろう(そちらも所見としては弱いが)。
今朝消化器科医がいたので、胆嚢炎がくすぶっているのではと伝えた。画像検査を、造影CTか腹部エコーで再検しませんかというと、MRCPをやってみるという。
総胆管は問題がなかった。MRIの読影は自信がないが、胆嚢壁が肥厚しているように見える。結局地域の基幹病院に紹介する(戻す?)ことになった。