なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

誤嚥性肺炎、普通の肺炎

2014年04月17日 | Weblog

 98歳男性が3日目から続く、発熱・呼吸困難で救急搬入された。肺炎で入院して3月28日に退院していた。退院時にも軽度の肺炎はあったのかもしれない。脳梗塞後遺症で神経内科外来に通院していた。経管栄養食のラコールが1日2パック処方されていた。これを経口で摂取していたようだ。胸部X線・CTで両側肺に浸潤影があり、低酸素を呈している。水分摂取量が少なかったのだろう。急性腎前性腎不全になっている。抗菌薬と点滴で経過をみるが、治癒させるのは難しいようだ。息子夫婦にその旨をお話して、病状悪化時はDNRの方針(人工呼吸はしない)とした。

 呼吸器外来担当の先生(大学病院から応援)から連絡がきて、73歳男性の肺炎の入院治療を頼みたいという。昨日肺炎と診断されて、経口抗菌薬が開始されたが、1日では症状軽快するはずもなく、入院を希望して今日再受診していた。まあ、普通の人(認知症のないという意味)で、1週間くらいでなんとか治ると思われる。

 一昨日の食道癌の患者さんの奥さんが、今日生検の結果を聞きに来た。病理で扁平上皮癌と診断され、。食道癌で間違いない。がんセンターへのセカンドオピニオン外来受診は希望しなかった。食道癌を診ている外科医に相談したが、頸部から腹部のリンパ節転移と肺動脈浸潤があるので、手術は当然不可能だ。ステントを入れるかどうかだが、血管が破れる可能性もあり、その覚悟があればということだった。このまま経過をみるしかないようだ。内視鏡を挿入したことが食道の狭窄を広げるとも思えないが、いつもより食べられているという。

 肺癌の患者さんは食欲がなく、しゃべっていると呼気に食物臭がしていた。胃内に食物が停滞していると思われ、今日内視鏡検査を行った(希望で経鼻)。意外にも胃内に食残はなかった。ナウゼリン+ガスモチン併用にしたのが、聞いたのかもしれない。実際に呼気の食物臭もなくなっている。

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慢性閉塞性肺疾患の急性増悪

2014年04月16日 | Weblog

 83歳男性が呼吸困難を訴えて、午後に内科外来を受診した。診療は午前のみなので、外来看護師さんの表現は、いきなり飛び込んできましただった。一昨日かららしい。普段は前立腺肥大で泌尿器科に通院し始めたばかりだった。発熱は自覚していなかったが、37.2℃だった。酸素飽和度が80%前半で、酸素吸入を開始した。炭酸ガス分圧は47mmHgだった。酸素1L/分程度で酸素飽和度が91~2%くらいになった。

 胸部X線で両側肺に気腫性変化があり、今でも喫煙している。両側肺に斑状影が散布していた。黄色の痰がでたので、そのまま喀痰培養に提出した。後から、細菌検査室から肺炎球菌が見られますと報告があった。HbA1cが8.0%と糖尿病がある。聴診で喘鳴(wheeze)が軽度に聴取された。

 自分で車を運転して病院まで来ていた。妻と二人暮らしで、子供はいないそうだ。何かあれば、甥っ子に頼むらしい。このまま入院してくださいというと、今日は絶対にできない、明日ならいいという。看護師さんも交えて何度も入院を勧めたが、頑としてきかない。セフトリアキソン1gとデカドロン4mgを点滴静注して、ソルラクト500mlの半分が入ったところで、帰ってしまった。夜間に救急搬入されないといいが、多分苦しくても自分で車で来るような気がする。明日午前10時に入院すると約束して帰った。

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食道癌ー頸部リンパ節転移

2014年04月15日 | Weblog

 内科クリニックから左頸部リンパ節腫脹の66歳男性が紹介されてきた。先週電話があって、大学病院でピック病と診断されていること、理解力が低下していて検査できるかどうかわからないことを伝えてきた。今日外来で診ると、確かに弾性硬の腫瘤が触知できた。鶏卵を半分に切ったような大きさだった。これは癌の転移だ。胸部X線で気管が右側に圧排されている。1か月前に腫瘤に気づいたそうだ。同じころから、嚥下障害があって、体重が5kgは減少している。

 頸部から腹部まで造影CTを撮った。胸部食道に腫瘤があって、周囲に浸潤している。食道癌だった。そのまま上部消化管内視鏡検査を行うことにした。どうしても口を空けてくれないので、経鼻で行うことにした、内視鏡室の看護師さんが3人で抑えてくれた。当初は奇声を3~4回発したが、その後は「やめましょう、やめましょう」と繰り返して言っていた。食道内に粘液・唾液・食残があってなかなか視野がとれなかった。消化器科医がどれどれ代わりましょうと診てくれた。ぐっと左側臥位にして吸引を続けると、ぽっかりと視野がとれた。門歯列から30~40cmの10cmにわたって食道癌があり、全周性に狭窄をきたしていた。経鼻のNだったのでなんとか胃内まで内視鏡は進んだ。食道の生検をして終了した。

 腹部CTで頸部、胸部、腹部にリンパ節転移がある。肺血管に接して浸潤しているように見える。手術適応はない。といって、放射線療法も抗癌剤も難しいだろう。緩和ケアとしての入院も、点滴をすぐに抜去してしまってコミュニケーションがとれないので、今の段階では難しい。このまま自宅で過ごせるだけ過ごして、介護困難になったり、食事摂取がまったくできなくなった時に入院を苦慮するのはどうかと家族に提案した。希望があれば、がんセンターのセカンドオピニオン外来に紹介することもできますと伝えた。生検の結果をみることもあり、明後日妻に来てもらって、家族の話し合いの結果を教えてもらうことにした。

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下肢閉塞性動脈硬化症

2014年04月14日 | Weblog

 心不全で入院していた96歳女性は、若い先生が担当して入院後は改善していた。今朝右下腿~足の冷感と足のチアノーゼがあることが判明した。施設に入所していて、4年前に嚥下障害で胃瘻造設が施行されている。年齢的にどこまで治療すべきかだが、血管外科に相談した。造影CT(CTA)検査で右大腿動脈の閉塞を認めた。できるだけのことはする方針となり、カテーテル処置のため手術室へ運ばれていった。

 170cm・120Kgの50歳男性は糖尿病教育入院して2週間になる。外来処方をそのまま継続して、食事療法1600Kcal/日のみで、食前血糖が120~130mg/dlになった。なんとかこのカロリーでやっていけるというので、連休前まで入院してもらうことにした。

 木曜日の夜に、めまい・嘔気・動悸・胸部不快感で入院した60歳女性はPPIと安定剤で症状軽快した。1週間分の退院時処方を出して、外来受診とした。心因性でいいのだろうが、経過しだいでは心臓CTなども行う必要があるかもしれない。

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内科学会に行ってきた

2014年04月13日 | Weblog

 金曜日から今日まで2泊3日で内科学会(東京国際フォーラム)に行ってきた。単位を稼ぐために1日だけ行くという人も含めると、病院から4名参加している(はず)。テーマがさまざまな分野の講演会なので好まないという先生もいるが、何でも内科ということもあって自分ではけっこう好きだ。1日目は午後の講演、2日目は午前中の胸部X線のセミナーと午後の講演、3日は午前中の講演を聴いてきた。日野原重明先生の特別講演と伊藤貞嘉先生の会長講演は感動的だった(直接診療には役立たないけど)。

 学会中に読み終わる予定だった「ユキティのER画像Teaching File」は、往復の新幹線と喫茶室ルノアール3店で読んでいたが結局読み切れなかった。この本も「10回本(10回読み返す価値のある本)」なので、1週間以内に読み切ろう。2泊3日の肺癌の診断のセミナーが7月に熱海であるそうで、参加するかどうか思案中。3日間病院からまったく電話が来なかったのは珍しい。

 一度中野ブロードウェーに行ってみようと思っていた(アニメおたくではないが)。今回ファンである精神科医・春日武彦先生の中野ブロードウェーを舞台にした書いたあやしい小説を直前に読んだこともあって、3日目の午後に行ってみた。中央線快速で東京から20分ちょっとだった。アニメフィギアやアニメ本以外にも全体的に怪しい店が並んでいた。4階はクリニックや事務所が入っていて、店舗数は少ない。ここに精神科クリニックがあることにして小説ができている。中野駅からの両脇に並ぶ商店街もいい感じだった。記念に、キテレツ大百科に出てくるコロ助のちっちゃな人形(2100円)を購入した。

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高血糖、汎血球減少、全身浮腫

2014年04月10日 | Weblog

 今日は外来がなかったので、午前中病棟でCVカテーテルの挿入などをしていた。内科新患で受診した患者さんのことで、内科の若い先生から相談を受けた。31歳男性は随時血糖400mg/dlでHbA1cが11.8%だった。健診で指摘されたもので、自覚症状はない。糖尿病の家族歴がある。外来治療でもよさそうだが、来週なら都合をつけて入院できるというので、その予定になった。外来で診るならば、GLP1製剤で開始するといいかもしれない。たぶん、入院後は一般的な食事療法+メトホルミン+DPP4阻害剤で治療するのだろう。糖毒性解除として、当初はインスリンを使いたいも言っていた。

 80歳男性は内科クリニックから汎血球現減少で紹介された。ただこの患者さんは、がんセンターに肺癌術後・喉頭癌術後で今も通院してる。がんセンターでの具体的な治療内容がわからない。LDHが940と高値だった。他の肝機能検査が正常域で、どうも血球由来の上昇か、癌の転移を示すのではないか。フォローしている癌に関係しているか、新たな骨髄疾患の発生と思われ、がんセンターへ紹介状を書いて回すことにした。内科クリニックから、そのままがんセンター紹介でよかった気がするが。

 86歳女性は糖尿病と高血圧症で通院している隣町の病院から、全身浮腫として紹介されてきた。1か月前からは這って動いていたという。夫と二人暮らしで子供たち(といってもそれなりの年)が毎日のように通って世話をしていたらしい。認知症があり、連れてきた長男夫婦も同意していた。介護保険を申請したばかりだという。糖尿病腎症と思われる軽度の腎障害があって、血清アルブミンが2.4と低下している。BNPは40くらいだった。心不全というより、腎障害と低蛋白血症(尿蛋白は陰性)の影響が大きいようだ。甲状腺機能は潜在性低下症(TSHが高い)相当だった。明らかな感染症はない。その病院で利尿剤の投与を開始したが、良くならないということだった。若い先生にお願いするのも申し訳ないので、私が主治医で入院とした。少なめの利尿剤静注と最小限の点滴、チラーヂンS25μg/日の内服などで治療を開始した。小技をきかせるというか、姑息的治療の積み重ねというか、タヌキ医者的な治療だ。

 明日から内科学会で不在。何とか来週の月曜日までには病棟に大きな問題が起こらない予定(予想)だが、高齢患者さんばかりなので、思いがけない急変もあるからわからない。月曜日から発熱が続いていたが、何とか解熱した。鼻水も咳も軽減した。昨日の朝、久しぶりに黄色の痰がゲホッと出て がっかりした。ただ夕方になると、それほど仕事をしていないのに身体がだるい。患者さんに言われたら、「それはいわゆる病み上がりの症状ですね、数日でだんだん調子が出てきますよ」というところだ。

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糖尿病の講演会

2014年04月09日 | Weblog

 昨日は市医師会の学術講演会で座長を頼まれていた。午後4時過ぎに誤嚥性肺炎を繰り返して、最期はすっかり老衰となった82歳男性がなくなった。電話で隣の隣の町に住んでいる奥さんに病棟看護師さんが電話した。お世話様でしたと言っていたそうだが、すぐには行けませんとも言ったという。講演会に出かけるので、間に合わなければ当直医にお願いすることにしていたが、午後5時半に奥さんが病院に到着した。簡単に説明したが、奥さんは割とあっさりしたものだった。葬儀社の手配などは甥っ子が任されていて、いそがしく電話で依頼や指示をしていた。確か介護施設職員だったはずだ。

 糖尿病の講演会は、選択的SGLT2阻害剤の話だった。講師は東京慈恵会医科大学の坂本昌也先生で、日中はなんと山形県鶴岡市の病院で診療して、その帰りに当地で講演するというものだった。薬剤メーカーのMRさんが、今このあたりで30分で到着予定です、もう10分で到着しますと、あわただしく連絡をつけていた。結局講演会の時間に間に合って予定通り始まった。私は前日から熱があって、当日午後の管理会議でも倦怠感と頭重感でぐったりしていた。出かける前に、カロナール(200mg)2錠を飲んでいった。

 講師の坂本先生は40歳ちょっとくらいの年齢だと思うが、なかなかのイケメンさんだった。8年も山形県鶴岡市の病院に東京から通っているそうだ。飛行機での通勤なので、時間的には楽だという。同じ機内に山形に通勤するドクターが数人いるというのも、すごい話だ。講演はまず研究テーマの血糖と血圧の変動の話だった。後半は選択的SGLT2阻害剤の話になった。体調不良のせいか、座長という緊張する状況で一瞬寝てしまった。はっとして起きて、それからはちゃんと聴いていた。会場からの質問も4名の先生方から出て、何とか形を作れた。ひとりいくつかの質問をする先生がいて、さてあの先生はどちらの開業医かと思ったが、さっぱりわからなかった。会場に来ていた先生がMRさんに聞いたところでは、当地から相当な遠隔地の医師会に所属する先生だという。以前の糖尿病の講演会にも来ていたのを思い出した。

 糖尿病の50歳男性が一昨日の月曜から教育入院している。170cmで120Kg、HbA1cは12%まで上がった。体重減少を狙って1600Kcal/日にしている。普段はこの5倍は食べているそうだ。。少ないでしょうというと、がんばりますと言っていた。入院して禁煙になるのがきついそうで、イライラしますと言っていた。ただ日曜日にはG1レースがあるので、外出して福島競馬場で馬券を買いたいという。普通は用事があるので外出します、とだけ言うのだろうが、この辺が憎めないというか、抜けているというか。Cペプチドは十分に出ている。この患者さんにインスリンを使うと、今でも丸々とはしているが、さらに丸々と太るのだろう。

 糖尿病の前の教授が、患者さんに食事制限の話をするのはもう飽きた、これさえ飲めばいくら食べてもいいという薬がほしいと言っていた。糖を尿に出すのもいいが、食後に飲むと糖に吸着して便中に排泄してしまう薬はできないのだろうか。

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高齢者続々受診

2014年04月08日 | Weblog

 82歳女性が内科医院から喘鳴で紹介された。この方は10年前に右乳癌の手術を受けていた。その時すでに左甲状腺腫瘍もあって、気管を右側に圧排していたが、そちらは経過観察とされていた。外科でまだ治療を継続していた(たぶん骨転移がありそう)。喘鳴は夜間横臥した時にするが、日中でもする時がある。ただし短時間ですぐ治まる。どうも体位変換時のようだ。うっ血性心不全はなく、気管支喘息にしては短時間の症状というのが合わない。以前から両側肺にびまん性に気管支拡張症があって、かなり目立つ。蓄膿症の既往はなく、咳・痰で困ることはないという。気管支炎や肺炎になることもないらしい。気管支拡張による症状なのか。聴診では喘鳴は聴取されなかった。ゼーゼーという表現だが、喘息のwheezeではないのかもしれない。患者さん自身は元気だった。このまま経過をみてもらうことにした。

 施設に入所している91歳女性が両側下腿のチアノーゼと腫脹、さらに足趾の潰瘍形成で紹介されてきた。以前うっ血性心不全で循環器科に入院していたが、これは心不全の症状ではない。下肢動脈循環不全として、今日外来に出ていた血管外科医に紹介した。(外科で入院)

 自宅で独り暮らしをしていた93歳女性は3日前から寝たきり状態となり、呼名に応じなくなって、娘さんが救急要請した。毎日娘夫婦が訪問して食事を持ち込んでいたそうだ。1か月前から這って動くようになり、同居する準備をしていたという。肺炎はなく、尿路感染症だった。脱水症もあって、ほとんど膿そのものの尿が採取された。腎障害(急性腎前性か)・肝機能障害も伴っていた。血圧は100はあった。頭部CTで両側慢性硬膜下血腫があるが水腫様になっていて、いつからあるかはわからない。救急当番の外科医がトロポニンTやCK-MBを検査したところ陽性だったので、循環器科医が先に呼ばれていた。これは結果的なものだから循環器の問題ではないが、かかわったのでしょうがないと循環器科で入院にしてくれた。(心電図はST低下が軽度にあるのみ)

 65歳女性が内科クリニックから急性腎盂腎炎で紹介されてきた。昨年10月にも同じ病気で入院していた。その時は尿培養で大腸菌ESBLが検出されて、途中で抗菌薬をセフトリアキソンからカルバペネムに変更した。糖尿病でインスリン強化療法を受けている方で易感染性ということなんだろうが。腹部CTで左腎臓が腫脹して周囲脂肪織に炎症像(dirty fat sign)がある。尿管結石の既往があるが、結石はなく尿路閉塞をきたす病変もなかった。抗菌薬はメロペンで開始して、尿培養・血液培養の結果で修正することにした。

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自分の風邪が治せない

2014年04月07日 | Weblog

 昨日から倦怠感があって、咳と咽頭違和感があった。今日は熱感があるので37℃後半か38℃前半の発熱がある。いつもこのタイプの風邪を引いて、3日くらい仕事に影響が出る。前から何か証の合う漢方薬がないかと思っているが、試したことはない。漢方薬に詳しい先生に聞けば、処方してくれるかもしれない。3月にサイエンス漢方の講義を聴いてきたが、その先生が風邪を引いた時に、3-4種類の漢方薬を次々に変えて内服して罹病期間が5-7日なので、それは自然治癒と変わらないのではないかと思った。症状が軽くすんでいるということなのかもしれないが。明日医師会の学術講演会の司会なので気が重い。

 病棟の100歳男性は今日心エコーで心機能を診てもらったが、結果は良く立派な心臓だった。夜間の呼吸困難は貧血のほうが影響していたようだ。貧血の原因は、消化管出血はない(胃腸の検査はしていないが)ので以前からの経過でMDSを想定していた。入院時のHbが6g/dlで、輸血して9g/dl弱になった。1か月半過ぎて、Hbが入院時に戻ってしまった。ただ、利尿剤が入っているので、胸部X線での心不全所見は改善していて、自覚症状もない。正しくは、上下部消化管内視鏡検査、骨髄穿刺なのだろうが、適応はないと思う。再度輸血をすべきかどうかだが、どうしたものだろうか。家族(息子夫婦)はもう自宅には引き取らないというので、施設に申し込んで空き待ちの状態だ。2-3か月病院で経過をみて(徘徊で病棟の看護師さんはいやがっている)、施設に入所してもらうとする。そうなると、外来で1か月おきに輸血をすることになる。一昨年90歳台女性のMDS(骨髄穿刺で確診)に外来で1年以上輸血を続けたことがある。なにが正しい治療なのだろうか。

 明日内科医院の紹介で、90歳のうっ血性心不全と90歳の多発性肺転移の患者さんが紹介されてくる。対応は、明日家族と相談して考えよう。

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今日は日直、膵癌のお看取り

2014年04月06日 | Weblog

 今日は日直で病院に来ていた。日曜日に日直は小児の受診が多いので、小児科医にお願いしていた。しかし内科の患者さんを診るのはつらいらしく、2年前からは小児だけなら休日でも診療しますと希望されていた。小児科医が日直の時は、内科の患者さんの入院や救急対応があるため、当番の内科医が午前中から病院に来ることが多かった。

 この3月で小児科医が二人とも定年を迎えた。昨年、大学小児科医局は新任の小児科医を赴任させる余裕がないため、今のメンバーで診療を継続するようにと伝えてきた。病院の要望もあり、小児科は3年間勤務継続となった。もともとこの病院で20年以上小児診療をしている男性医師は、まだまだやる気十分だった。女性医師は、できれば定年後は週3回くらいの外来診療だけにしたいという希望だったが、3年間通常診療でやりますと(しぶしぶ?)引き受けた。

 今月から日曜日の日直を小児科医と内科医と二人置くことにした。いずれは小児科医が抜けて、全部内科で診るようになるので、一時的な二人体制だ。もっとも人数に余裕がない時や日曜日が5回ある時は内科だけ置くことにはなる。小児を診ないし、インフルエンザも下火になっているので、割と楽だった。嘔吐が続いて外来で点滴をしていたが、帰ろうとして動いてまた嘔吐した高齢男性が短期入院になった。

 消化器科に入院していた膵頭部癌の90歳女性が午後3時過ぎに心肺停止となり、私が病棟で看取った(DNRになっていた)。この方は施設に入所していた(認知症で全介助だった)。黄疸と食欲不振で受診して、CTで診断された。治療は姑息的なものも含めて困難だった。子供たち(といってもそれなりに高齢だろう)が首都圏に住んでいる。入院した時に来たが、方針を聞いて帰っていた。今日病棟の看護師が連絡すると、今日は行けないと言われた。明日来るとも言っていないという。家族がいつ来るかわからないとなると、そのまま病室にはおけない。めったに使用しない霊安室に移動して家族を待つことになった。

 明日は、糖尿病で通院しているメタボ男性の教育入院がある。また、基幹病院の呼吸器科に肺炎で入院して人工呼吸器管理で軽快した80歳男性(ステロイド依存喘息)が、筋力低下のリハビリ目的で転院してくる。金曜日から内科学会に行くので、病棟が落ち着いてくれるといいが、どうなるか。

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