なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

高齢者続々受診

2014年04月08日 | Weblog

 82歳女性が内科医院から喘鳴で紹介された。この方は10年前に右乳癌の手術を受けていた。その時すでに左甲状腺腫瘍もあって、気管を右側に圧排していたが、そちらは経過観察とされていた。外科でまだ治療を継続していた(たぶん骨転移がありそう)。喘鳴は夜間横臥した時にするが、日中でもする時がある。ただし短時間ですぐ治まる。どうも体位変換時のようだ。うっ血性心不全はなく、気管支喘息にしては短時間の症状というのが合わない。以前から両側肺にびまん性に気管支拡張症があって、かなり目立つ。蓄膿症の既往はなく、咳・痰で困ることはないという。気管支炎や肺炎になることもないらしい。気管支拡張による症状なのか。聴診では喘鳴は聴取されなかった。ゼーゼーという表現だが、喘息のwheezeではないのかもしれない。患者さん自身は元気だった。このまま経過をみてもらうことにした。

 施設に入所している91歳女性が両側下腿のチアノーゼと腫脹、さらに足趾の潰瘍形成で紹介されてきた。以前うっ血性心不全で循環器科に入院していたが、これは心不全の症状ではない。下肢動脈循環不全として、今日外来に出ていた血管外科医に紹介した。(外科で入院)

 自宅で独り暮らしをしていた93歳女性は3日前から寝たきり状態となり、呼名に応じなくなって、娘さんが救急要請した。毎日娘夫婦が訪問して食事を持ち込んでいたそうだ。1か月前から這って動くようになり、同居する準備をしていたという。肺炎はなく、尿路感染症だった。脱水症もあって、ほとんど膿そのものの尿が採取された。腎障害(急性腎前性か)・肝機能障害も伴っていた。血圧は100はあった。頭部CTで両側慢性硬膜下血腫があるが水腫様になっていて、いつからあるかはわからない。救急当番の外科医がトロポニンTやCK-MBを検査したところ陽性だったので、循環器科医が先に呼ばれていた。これは結果的なものだから循環器の問題ではないが、かかわったのでしょうがないと循環器科で入院にしてくれた。(心電図はST低下が軽度にあるのみ)

 65歳女性が内科クリニックから急性腎盂腎炎で紹介されてきた。昨年10月にも同じ病気で入院していた。その時は尿培養で大腸菌ESBLが検出されて、途中で抗菌薬をセフトリアキソンからカルバペネムに変更した。糖尿病でインスリン強化療法を受けている方で易感染性ということなんだろうが。腹部CTで左腎臓が腫脹して周囲脂肪織に炎症像(dirty fat sign)がある。尿管結石の既往があるが、結石はなく尿路閉塞をきたす病変もなかった。抗菌薬はメロペンで開始して、尿培養・血液培養の結果で修正することにした。

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