なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

糖尿病の講演会

2014年04月09日 | Weblog

 昨日は市医師会の学術講演会で座長を頼まれていた。午後4時過ぎに誤嚥性肺炎を繰り返して、最期はすっかり老衰となった82歳男性がなくなった。電話で隣の隣の町に住んでいる奥さんに病棟看護師さんが電話した。お世話様でしたと言っていたそうだが、すぐには行けませんとも言ったという。講演会に出かけるので、間に合わなければ当直医にお願いすることにしていたが、午後5時半に奥さんが病院に到着した。簡単に説明したが、奥さんは割とあっさりしたものだった。葬儀社の手配などは甥っ子が任されていて、いそがしく電話で依頼や指示をしていた。確か介護施設職員だったはずだ。

 糖尿病の講演会は、選択的SGLT2阻害剤の話だった。講師は東京慈恵会医科大学の坂本昌也先生で、日中はなんと山形県鶴岡市の病院で診療して、その帰りに当地で講演するというものだった。薬剤メーカーのMRさんが、今このあたりで30分で到着予定です、もう10分で到着しますと、あわただしく連絡をつけていた。結局講演会の時間に間に合って予定通り始まった。私は前日から熱があって、当日午後の管理会議でも倦怠感と頭重感でぐったりしていた。出かける前に、カロナール(200mg)2錠を飲んでいった。

 講師の坂本先生は40歳ちょっとくらいの年齢だと思うが、なかなかのイケメンさんだった。8年も山形県鶴岡市の病院に東京から通っているそうだ。飛行機での通勤なので、時間的には楽だという。同じ機内に山形に通勤するドクターが数人いるというのも、すごい話だ。講演はまず研究テーマの血糖と血圧の変動の話だった。後半は選択的SGLT2阻害剤の話になった。体調不良のせいか、座長という緊張する状況で一瞬寝てしまった。はっとして起きて、それからはちゃんと聴いていた。会場からの質問も4名の先生方から出て、何とか形を作れた。ひとりいくつかの質問をする先生がいて、さてあの先生はどちらの開業医かと思ったが、さっぱりわからなかった。会場に来ていた先生がMRさんに聞いたところでは、当地から相当な遠隔地の医師会に所属する先生だという。以前の糖尿病の講演会にも来ていたのを思い出した。

 糖尿病の50歳男性が一昨日の月曜から教育入院している。170cmで120Kg、HbA1cは12%まで上がった。体重減少を狙って1600Kcal/日にしている。普段はこの5倍は食べているそうだ。。少ないでしょうというと、がんばりますと言っていた。入院して禁煙になるのがきついそうで、イライラしますと言っていた。ただ日曜日にはG1レースがあるので、外出して福島競馬場で馬券を買いたいという。普通は用事があるので外出します、とだけ言うのだろうが、この辺が憎めないというか、抜けているというか。Cペプチドは十分に出ている。この患者さんにインスリンを使うと、今でも丸々とはしているが、さらに丸々と太るのだろう。

 糖尿病の前の教授が、患者さんに食事制限の話をするのはもう飽きた、これさえ飲めばいくら食べてもいいという薬がほしいと言っていた。糖を尿に出すのもいいが、食後に飲むと糖に吸着して便中に排泄してしまう薬はできないのだろうか。

コメント
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