なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

COPDだけではなかった

2018年03月10日 | Weblog

 金曜日に、山間部の診療所から87歳男性が紹介されてきた。高血圧症で治療していたが、浮腫・息切れがあり、BNP1400と高値だったとある。利尿薬(フロセミドとスピロノラクトン)を処方して、体重が2Kg減少したが、食欲低下・倦怠感が出た。引き過ぎて脱水症をきたしたようですと記載されていた。

 両側下腿浮腫はまだある。家族は、病院嫌いなのに息切れで入院したいと言っているのでひどいんでしょう、と言う。現在も喫煙していて、症状が出てから30本/日を20本/日に減らしたそうだ。ポケットにはちゃんとタバコが入っていた。COPD・肺性心かと思って検査を行った。

 胸部X線・CTでは両側肺に著明な気腫性変化があり、胸水貯留もあった。右肺中葉に軽度の浸潤影?(うっ血?)。心エコーも入れていたので、生理検査室に見に行った。担当の検査技師さんから「ASがあります」と言われた。「5mくらい吹いてます」と。大動脈弁の石灰化・肥厚を認めた。

 酸素飽和度は97%(室内気)と良好で、1秒率は70%と思ったよりは保たれていた。BNP1500。確かに胸骨右縁第2肋間に収縮期雑音はある。心肺合わせ技ということか。

 先月赴任したばかりの循環器科医に相談して、循環器科の入院で診てもらうことになった。患者さんに、「入院したら絶対にタバコは吸えないよ」と言うと、しぶしぶポケットからタバコを出して家族に渡した。

 循環器科が入って少し診療が楽になるかなとは思っていたが、実感した日だった。

 

 

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