なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

頻脈性心房細動

2024年03月30日 | 循環器疾患

 高血圧症・糖尿病・大動脈弁閉鎖不全症で通院している74歳女性が、数日前?からの労作時息切れで受診した。両下腿に中等度の浮腫がある。酸素飽和度は98~99%(室内気)だった。

 前回の心電図検査では正常洞調律で上室性期外収縮がちょっとだけ入っていた。心エコー検査(週1回他院から心エコーのできる検査技師さんが来ている)、EFは60%台で大動脈弁閉鎖不全症があった。あまり行きたがらないが、循環器内科のあるところで評価して欲しいと思っていた。

 この方は現在は禁煙しているが、以前は喫煙していた。喘息症状を伴うこともあり、Asthma+COPD=ACO相当だった。3剤の合剤(ICS+LABA+LAMA)のテリルジー吸入をしていて最近は喘鳴を聞かない。

 診察すると、不整脈の頻脈だった。心電図で確認すると、頻脈性心房細動(心拍数140~180)だった。動悸を訊いても、ないという。もっぱら息切れを訴えた。

 血管確保をして、ベラパミル注を行うと心拍数は100前後/分になった。ビソノテープ(ビソプロロール)4mgを貼付した。心拍数は80~100/分になった。

 入院で経過を見ましょうと伝えると、入院はできないという。COPDの夫の世話があるというが、自分の問題として入院してくないらしい。利尿薬・DOACを内服してもらって、処置室で経過をみることにしたが、起き上がって周囲をきゅろきょろ見ている。

 もう1回胸部X線と心電図を検査して、心房細動のままだが、心拍数80~100/分で(安静時だが)安定している。胸部X線はやや軽減か。

 改めて入院を勧めたが、結局帰宅することになった(自分で車を運転して来ていた)。必ず翌日受診することを約束して帰った。

 

 この患者さんの夫はCOPDの増悪で入院したが、喫煙したくて数日で退院してしまった。隠し持っていたタバコを看護師さんに取り上げられたのが気に入らないらしい。

 在宅酸素療法の適応だが、拒否している。在宅酸素で喫煙されても怖いので、そのままになっている。

 

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