なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

よくわかりません

2018年03月12日 | Weblog

 昨日は、「医療従事者向け糖質制限食セミナー」(東京)に行って、江部先生を初めて直接見てきた。江部先生の講演自体はCareNeTVにもあるので大体予想通りだが、実際にお顔を見た方がやる気が出るというものだ。はんなりとした話しぶりだが、糖尿病学会はカロリー制限食しか認めず、食後高血糖・平均血糖幅の増大に対してどう責任をとるのだろう、と言っていた。

 高雄病院の管理栄養士さんの話は、具体的でよかった。糖質制限食は食費がかさむので1800Kcalを越すと、予算オーバーになってしまうという。何度か糖質量の話をしても、けっこう患者さんは誤解しているというが、そういうものだろう。患者さん教育用の薄い本(ブックレット)があるといいと思う。

 講演終了後は、ちゃっかり著書にサインをもらって帰ってきた。

 人類最強の「糖質制限」論 ケトン体を味方にして痩せる、健康になる (SB新書)

  新幹線の中と、東京淡路町と地元のスターバックスで、「教えて!ICU 集中治療に強くなる Part3」を読んだ。旅行のお供にはA5版の本がいい。林寛之先生の本もA5版だと助かる。

 教えて! ICU Part3 集中治療に強くなる

 

 高血圧症・糖尿病で通院している89歳女性はしだいに小球性貧血が進行した。年齢もあるので、内視鏡検査の前に造影CTでざっと検査してみたが、腫瘍は指摘できず、腫瘍マーカーも正常域だった。

 一人暮らしなので消化管の内視鏡検査は入院で行った。上部消化管は異常がなく、下部消化管も腫瘍はなく、痔核だけだった。といっても、排便時に鮮血が飛び散ることもなく、じわじわと痔核表面からoozingがあるわけでもないようだ。小腸病変の検索というわけにもいかない。

 外来で鉄剤を投与してもさっぱり反応がなく、Hbが10から9、さらに7台まで落ち込んだ。入院後は鉄剤を倍量にしてみて、やっと横ばいというところだ。夫はすでに死亡していて、お子さんはいない。責任者になる甥は、一人暮らしなのでしばらく病院に置いてくださいと言っていた。このまましばらく鉄剤で経過をみるしかないようだ。

 

 クリニックから38歳女性が紹介されてきた。不妊治療を受けていたが、最初に治療した病院では成功しなかったので別の病院に変えたそうだ。昨年10月の血液検査で炎症反応の軽度上昇があり、それが続いていた。内科で精査するように、今のままで不妊治療はできない、と言われた。

 近くのクリニックで検査しても同様の結果で、最初は風邪症状もあった。断続的に抗菌薬が3種類処方されたが、軽度の炎症反応は同じだった。紹介時に自覚症状はまったくない。発熱もない。白血球数軽度上昇は、喫煙しているので影響があるのかもしれない(以前は喫煙していても正常域だが)。不妊治療を受けたいなら禁煙すべきだと思うがやめられないという(職業は教員だし、まずいんじゃないだろうか)。

 症状として取り上げるとすれば、両側の手指が少し腫脹しているようで皮膚自体も硬いような印象があった。体重は同じだが、指輪が入りにくくなっているという。下腿浮腫などはない。強皮症を含む膠原病の検査を提出したが、ずべて正常域だった。

 経過をみて再検しませんかと提案したが、とにかく不妊治療を早く受けたいという。相談の結果、大学病院婦人科での不妊治療も考えていることもあり、大学病院の総合診療科に紹介することになった(申し訳ない紹介だ)。多少検査値に異常があっても、治療に支障がないというお墨付きがほしいのだった。

 

 

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