なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

敗血症性ショック

2024年03月05日 | 感染症

 3月1日(金)の午前中、急性期病棟で病棟看護師さんがショックの患者さんが入院すると慌てていた。

 COVID-19の患者8名が入院しているため(スタッフは5名罹患)、基本的には入院を止めている。軽症~中等症ならば地域包括ケア病棟に入院できるが、ショックだとそちらには頼めなかった。

 その日の午前中は発熱外来担当・救急の入院担当だったが、連絡はきていない。内科新患を受診した患者さんが、いきなりショックだったのかと思った。

 確認すると、前日2月29日の当直帯に高熱で救急搬入された92歳女性だった。当直だった内科の先生が対応していた。その時は血圧110/54mmHg・脈拍93/分・呼吸数24回/分・酸素飽和度100%(室内気)だった。(後から見れば血圧は低下していたのだろう)

 胸腹部CTで肺炎はなかった。右腎結石・右腎盂拡張があった。やせていて内臓周囲の脂肪織が乏しく、尿管結石は確定し難い。膀胱内に石灰化があった(尿管口に詰まっている?)。

 白血球 6200・CRP 0.1と炎症反応の上昇はなかった(急性期のためだろう)。抗菌薬を投与して翌日泌尿器科医と相談することにして帰宅とした。

 

 翌3月1日の午前10時前に家族の車で受診したが、血圧65/42mmHg・脈拍101/分になっていた。当直だった先生が翌日診ることにしていたので、そのまま呼ばれて対応していた。

 血液検査では、白血球 34600・CRP 7.6と上昇していた。肝機能障害と腎機能障害(血清クレアチニン2.06)もあった。尿検査は白血球50-99/HPF・細菌(3+)。

 尿路結石による閉塞性腎盂腎炎だと泌尿器科救急になるが、なかなか受け入れが難しい。地域の基幹病院でもCOVID-19 の院内発生があって入院が厳しいようだ。点滴・抗菌薬・昇圧薬が開始された。

 超初期の炎症反応(白血球・CRP)はあてにならない。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 低カリウム血症、代謝性アル... | トップ | 新型コロナの持続感染 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

感染症」カテゴリの最新記事