なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

1か月に1回の嘔吐

2021年06月26日 | Weblog

 水曜日は当直だった。準夜帯の受診があったが、深夜帯の受診がなくて助かった。午前7時過ぎに、嘔吐が止まらないという48歳男性が救急外来を受診した。

 トイレに寄ってから外来を行こうとした時、痩せた男性がトイレに入って来て嘔吐していたので、この方だろうと思った。救急外来んも診察室で待っていると、戻ってきた。

 コンビニで夜勤の仕事をしている方だった。勤務は午後10時から午前8時までという。昨夜は午後9時に起きて、コンビニに行ったが、嘔吐が続くので早退というかほとんどそのまま帰宅した。

 自宅で水分をとって様子をみていたが、嘔吐を繰り返して、30回くらい吐いたと言う。嘔吐しているうちに心窩部痛も出てきた。

 2~3年前から同様の症状を1か月に1回繰り返しているそうだ。毎回受診はしていない。自宅で様子をみて治まることが多いので、毎回受診はしていない。

 15年前に十二指腸潰瘍穿孔で当院外科で手術をしていた(穿孔部縫合と大網充填)。ふだんは痛風・高尿酸血症で他院に通院している。

 嘔吐が続いて当院を受診したのは、昨年5月と今回の2回だった。昨年は日曜日の当直医(大学病院外科からきているバイトの先生)が対応して、派手な症状と既往から十二指腸潰瘍穿孔による腹膜炎を疑ってCT検査をしていた(それはなかった)。

 月曜日の朝に消化器科に回して、上部消化管内視鏡検査が行われた。胃潰瘍・十二指腸潰瘍(瘢痕のみ)はなく、胃粘膜が浮腫状で発赤はしていた。PPIが処方されたが、その後は受診していない。消化器科医は遺伝性血管性浮腫など特殊な疾患も考慮したらしい。

 通院している病院で胃薬(たぶんPPI)を処方されていたこともあるが、しばらくはやめていた。

 今回、腹部は平坦・軟で心窩部にごく軽度の圧痛があるくらいで、腹膜炎の所見ではなかった。念のためCT(微小なガスもみるためCTにした)で確認したが、腹腔内の遊離ガスはなかった。

 外来で点滴を2本してPPI静注をした。また嘔吐したので、嘔気止めの注射とちょっと夢中になっている雰囲気もあるのでアタラックスP1Aも点滴静注した。

 2本目の点滴をしていることに行ってみると、症状は治まっていた。入院しますかと訊くと、そのつもりでは来ていないと言う。水分もとれるようになったというので、点滴を追加(3本目)して、終了後帰宅とした。

 上部消化管内視鏡検査を勧めると、受けてみると言う。月曜日に予約を入れて、タケキャブ・ムコスタをそれまでの分処方した。今回も潰瘍はないのかもしれないが、PPI(タケキャブでもいい)を継続して経過をみたい。

 症状もない時は(1か月のうち症状のある1~2日以外)全く何でもないらしい。どういう病態なのだろうか。

 

コメント (3)
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