なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

歯肉癌

2021年06月12日 | Weblog

 木曜日に歯肉癌の93歳男性が入院した。

 市内の歯科医院から大学病院口腔外科に紹介されて、左下歯肉癌と診断された(4月12日記載)。本人と家族は治療を希望せず、緩和ケア(鎮痛薬)で経過をみることになった。

 当院内科外来に高血圧症・慢性腎臓病(CKD)通院している。4月末に大学病院から診療情報提供書が送られてきた。緩和ケアの継続と終末期の対応もお願いしたい、ということだった。

 鎮痛薬としてアセトアミノフェン・ロキソプロフェンが処方されて、それでも痛いということで、トラマール屯用となっていた。CKDがあるので、ロキソプロフェンは中止した。

 トラマールを定期内服としたが、まだ痛いようだ。大学病院を受診するころから当地に来ていた、茨城県在住の長女がいっしょに受診した。この患者さんは奥さんと二人暮らしで奥さんを介護していた。奥さんの介護度が上がり、当院入院後に施設に入所させた。

 娘さんから、一人暮らしで食事の問題・薬剤管理の問題・生活自体の問題があり、入院させてほしいと希望された。水曜日に新型コロナワクチンの1回目があり、木曜日の入院を希望した。

 鎮痛薬の調整と食事摂取量をみて、施設入所も検討するため、入院とした。食べる量は少ないが、点滴するまでではないようだ。トラマール100mg分4(ワントラムは院内にない)で経過をみて、増量あるいは医療用麻薬の使用を考慮することにしている。

 肺癌や消化器癌のようにあまり扱わない癌なので、経過が予測しがたい。以前、舌癌の90歳代女性が入退院を繰り返して、最終的には誤嚥性肺炎で亡くなった。

 今回は自宅に戻せないので、病状が安定すれば施設に頼むしかない。医療用麻薬を使用してしまうと引き受ける施設はないかもしれない。

 癌死そのものではなく、やはり誤嚥性肺炎などの感染症で悪化するとは思うが、どういう経過になるか。出血が止まらないとなると、当院では対処できない。口腔外科では、出血が続く時はまたご紹介下さいとしていたが。

 

 それにしても新型コロナワクチンの2回目が3週後にくる。当市では大規模集団接種だけなので、外出して受けてくるしかない。他の透析で入院する患者さんも外出してワクチン接種することになっていた。

 毎日病院から医師・看護師が会場に行っているので、一人分だけもらってこれば院内でできるが、手続き上はそうもいかない。

 

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