なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肺疾患?、心疾患?

2021年06月09日 | Weblog

 今日の午後は、初めて新型コロナのワクチン接種会場に問診係として行ってきた。当市では大規模集団接種だけで、個別接種はしていない。

 市から医師会と市内の病院に医師・看護師の派遣依頼が来て、当院からは医師2名・看護師4名を出している。医局から月2回は義務として割り当てられて、あとは希望者が入る。

 当初は、少ない人数の看護師さんを出せるかという話があった。しかし2万ちょっとの手当が出るので、案外不満はなくすぐに派遣の割り当てが決まった。

 医師は予想以上の金額が出て、これは自治体ごとに違うらしい。当市の医師会はけっこうな金額に決めていた。

 

 昨日喘鳴・酸素飽和度低下の37歳女性を当院に紹介したクリニックの先生も来ていた(水曜午後は休診日)。この患者さんは知的障害があり、そして病的ともいえる肥満がある。

 クリニックでは喘息の吸入薬だけ処方して、睡眠時無呼吸症候群(SAS)でCPAPを施行していた。(病院勤務医の時からSASの管理を得意としていた)2019年に急性心不全として、当時はあった当院循環器科に紹介していた。

 年齢的に先天性心疾患が疑われたが、検査では時に指摘できなかった。心電図は洞調律で不完全右脚ブロックがある。心エコーでは、肺動脈弁閉鎖不全症を指摘されたが、ASD・VSDはなかった。

 両下腿浮腫があるが、心不全なのか肥満のためなのか不明だ。血液ガスでは高二酸化炭素血症があり、肺疾患があるのだろうがよくわからない。

 循環器科入院時の治療は酸素吸入で経過をみるというもので、軽快退院していた。クリニックの先生は期待した検査もなかったと言っていた。(心エコーもクリニックで施行しているというので、していなかった)

 

 胸部X線は今回撮影条件の問題もあり、肺うっ血~水腫がひどいようだが、CTで見るとそうでもない。肺うっ血・わずかな胸水はある。心不全の症状は肺性心?で、肺疾患は肥満による肺胞低換気諸侯群?、原発性肺高血圧症?。

 デキサメサゾンの点滴とフロセミド10mgを外来でして喘鳴が軽減はした。入院を勧めたが、付き添いの母親も本人も入院したくないという。やむなく、翌日外来を受診して、治療を継続することを約束して帰宅とした。

 精査するとして、具体的に何の検査をすればいいのか。専門医に紹介するとして、循環器内科で心臓カテーテル検査をしてもらえばいいのだろうか。たぶん母親も本人も希望しないとは思うが。

 

 

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