なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

若年者の心不全

2018年07月25日 | Weblog

 昨日の当直は、大学病院から来ているバイトの外科医だった。当方は内科の当番で、午前1時過ぎに連絡が入った。

 35歳男性の心不全だという。35歳の心不全はそうそうない。まっさきに浮かんだのは急性心筋炎だった。「肺が真っ白です」と言っていたが、酸素飽和度が90%弱(室内気)なので、まだ持ちこたえそうだと思った。

 当院の循環器科はオンコール体制にはない。救急搬送するしかないが、地域の基幹病院でも受けられないかもしれない。心臓血管センターのある専門病院に直接お願いしてもらうことにした(受け入れOKで救急搬送になった)。

 今日カルテを見て確認した。当直医は相当に慌てていて余裕がなかったらしい。検査の指示と診療情報提供書の記載しかなかった。胸部X線・CTを見ると、急性心不全(肺うっ血・水腫と胸水)そのものだった。心電図は著明な左室肥大を呈している(洞性頻脈で不整脈はない)。血圧は200と高値で、腎機能障害(血清クレアチニン5mg/dl)が目立つ。

 患者さんは精神障害がある方らしい(詳細不明)。また以前から労作時に息切れがあったそうだ。循環器科医に訊いてみたところ、おそらく心臓病に基礎疾患があり、それが血圧上昇などで破綻して急性心不全(CS1)が発症したのだろうという。基礎疾患としては肥大型心筋症が疑われるそうだ。高血圧と腎機能障害がいつからあるのかは当院初診でまったくわからない。

 日中循環器科医がいる時に受診したとしても、初期対応はするが結論は出ないので、結局大学病院などに搬送するようになるそうだ。

  

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