なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

多発性脳梗塞~熱中症の影響?

2018年07月17日 | Weblog

 昨日(海の日)の夜に受診した82歳男性は多発性脳梗塞だった。前々日の日中、暑い中で草取りをして大分疲れたそうだ。その夜から体調が悪くなっていた。昨日はあまり食事もとらずに過ごしていて、夜に家族が帰宅した時に、反応が悪いのに気付いて救急外来に連れてきた。

 会話はできるが、少し呂律が回らないような印象があった(患者さん本人はいつもと変わりないと言っていたが)。当直の外科医は頭部CT検査を行って、出血はなく明らかな梗塞もなかった(後でMRIと比べると指摘できる)。

 頭部MRIも検査したところ、小脳と脳幹部に複数の梗塞巣を認めた。MRAで脳底動脈の上部と両側の後大脳動脈と上小脳動脈の近位部に狭窄があった。内頚動脈系はそれほど狭窄が目立たない。

 心電図では洞調律で心房細動はなかった。多発性でシャワーエンボリが疑われたが、MRAからは複数個所に脳梗塞を生じてもいいくらい狭窄が目立つのでアテローム血栓性になるようだ。

 内科の若い先生が担当となって、指示を出していた。病室に患者さんを診に行くと、意識清明で受診時よりもずっといいと話していた。若干構語障害はありそうだ。梗塞巣の進行がないかどうか、頭部MRIを再検する必要がある。動脈狭窄を確認するためにCT angio.も必要かもしれない。血管内治療というわけにもいかないから、抗血小板薬でがんばるしかないか。

 MRAの所見からはいずれ脳梗塞になったのだろうが、暑い中の作業で脱水傾向(熱中症)になったのが影響したと思われる。

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