なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

胸部X線は予想外

2018年07月13日 | Weblog

 クリニックの先生(市の医師会長)から紹介の電話が来た。80歳男性の両下肢筋力低下での紹介だが、酸素飽和度が84%と言われたので、肺炎でぐったりしているのだろうと見当を付けた。

 外来受診時は酸素飽和度88%(室内気)だった。発熱はないが、2週間前から咳・痰が出ているという。やはり肺炎だろうと判断された。画像検査や血液検査を提出してから、結果が出るまで病棟の回診をしていた。

 胸部X線・CTでは予想外に著明な胸水貯留があった。炎症反応は白血球16500、CRP23.8と上昇していた。心電図は正常洞調律で、心雑音や心拡大はない。腎機能障害や低蛋白血症があり、さらに甲状腺機能低下もあった。

 循環器科医に相談すると、肺炎・胸膜炎がメインで、腎機能障害・低蛋白血症なども加わって心不全症状も併発した状態だろうと言われた。BNPが100で上昇はしているが、著増ではない。下肢の浮腫はごく軽度にはある。

 胸水を採取して細菌検査・抗酸菌検査・癌の細胞診などを提出して、抗菌薬・利尿薬を開始かと思ったが、ちょっと自信がない。地域の基幹病院呼吸器内科にお願いすることにした。ベット事情が厳しいのでどうかと思いながら電話すると、案外すぐにとってくれた。

 急性期の治療をお願いします、と言ったのは、病状が安定した後は当院に転院になるから。年齢もあるが、しだいにADLが低下してきていて、家族は介護保険申請を考えていたところだった。

 今日は大学病院の担当者が医学部生6年時の病院実習に打ち合わせに来る。2週間以上の実習になるらしいので、複数の診療科で指導するようになる。

 

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