なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

器質化肺炎だった

2018年07月06日 | Weblog

 神経内科で肺炎の治療をしていた76歳男性のその後の経過。先週相談された時は、関節炎の併発についてだった。

 抗菌薬はメロペネムを使用していたが、発熱が続いて炎症反応も悪化した。右膝関節・足関節に関節炎の症状もあり、偽痛風が疑われた。発熱と炎症反応上昇は、肺炎の悪化というより、関節炎を反映しているという解釈だった。

 もともとの軽度腎障害に腎前性の要素が加わっていてNSAIDが使用できない。ステロイドを使用したいが、それでいいかと相談された。肺炎に対する抗菌薬と関節炎に対するステロイドを肺用して経過をみることにした。

 プレドニン20mgを使用すると、翌日にはすぱっと解熱した。2日ずつ20mg・15mg・10mg・5mgを使用して中止した。炎症反応も22から2.1まで低下した。併用していた抗菌薬は中止していた。

 その後発熱はないが、CRPが3.6とちょっと上昇して、胸部CTでまだ陰影が大分残っていた。神経内科医は、呼吸器科外来に来ている先生に相談した。

 そもそもの肺炎は左右肺に複数個所陰影を形成していて、これは細菌性肺炎というより器質化肺炎だろうと診断された。プレドニン0.5mg/Kg(30mg/日)から開始されることになった。

 関節炎併発に対して投与したプレドニンが器質化肺炎に効いて(関節炎も軽快したが)、解熱して肺陰影も軽減したということのようだ。プレドニンは8日で切ってしまったので、さすがに器質化肺炎がいったん軽快して、まだ少しぶり返したのだった。

 

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