発熱・咽頭痛の22歳女性が、治らないということで内科医院から金曜日に当院に紹介された。先週の初めの発症で、医院では最初にクラリスが処方されて、その後にクラビット(内服は2日のみ)が処方されていた。インフルエンザ・アデノウイルスの迅速検査は陰性とあった。
内科の若い先生が診察した。咽頭の発赤があり白苔もあった。溶連菌迅速試験は陰性。白血球数は正常域でCRPが5だった。肝機能検査は正常域。検査で尿混濁もあった。ウイルス感染か細菌感染かということになる。3歳の子供がいるので入院はしたくないという。咽頭痛で食事はあまりとれていない。
結局、抗菌薬(セフトリアキソン)と点滴(長く家を空けられないので1本のみ)を受診日と土日に外来で行うことになった。土日の状態で、入院も考慮しましょうという話だった。無難な対応ではある。
土曜の日直の時に点滴に来ていた。受付されていたが診察には回ってこないので、点滴の指示が出ている患者さんかと思ってカルテで確認すると上記の経過だった。点滴室に診に行ったが、症状はあまり変わらず、やはり入院は避けたいという希望だった。
日曜日の午前中も日直で、看護師さんからこの患者さんが陰部の痛みと排尿痛があると報告が来た。外来に余裕があったので発症してからの話を聞いて、診察もした。咽頭は発赤があるが、白苔はなくなっていた。頸部リンパ節腫脹は目立たない。先週から生理も始まっていて、尿混濁はそのためだった(受診時生理の話はしてない)。腹部は平坦・軟で下腹部に軽度の圧痛がある。いつもの生理痛ですかと聞くと、そうだという。ただ、すでに6日経過しているのにまだ出血があっていつもと違うらしい。
月曜日に内科外来に来るので、婦人科にも紹介とした。咽頭も耳鼻咽喉科(非常勤医)にも紹介かと記載した。なんだか人任せの対応になるが、内科で診察しにくいので少なくとも婦人科紹介はしょうがない。
後で担当の先生に聞いたところ、婦人科の診察で外陰部と膣内に水疱があり、性器ヘルペスと診断されたという。ヘルぺスの治療薬が出されていた。既往はないので、性器ヘルペス(2型単純ヘルペス)の初感染ということになる、発熱・陰部痛排尿痛(・咽頭痛も?)は全部それで説明できるようだ。