なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

その後の経過~全身性浮腫、憩室炎

2017年10月16日 | Weblog

 先月の日曜日の日直の時に、全身浮腫の40歳男性が救急搬入された。胸水・腹水もあった。心電図は異常がなかった。BUN・血清クレアチニンの上昇と低蛋白血症・尿蛋白陽性で、腎炎・ネフローゼとして腎センターのある病院に救急搬送していた。

 そちらの病院を退院して外来通院になったと報告書が来た。全身浮腫と下肢蜂窩織炎に対して、利尿薬と抗菌薬で経過をみて改善したとある。確かに動けないほどの浮腫で、下腿は表皮が剥離して浸出液がしみ出してきていたが、それは主病ではない。

 腎臓病はどうなったのかというと、入院18日目に全身の紫斑が出現して腎機能の悪化があり、そこで全身性血管炎と診断してステロイドを開始したと記載されていた。皮膚生検(紫斑の部位だろう)をして血管炎と確定診断していた。ANCA関連とは書かれていないので、ANCAは陰性だったのだろうか。今後外来で経過をみて、腎生検を行う予定だそうだ。

 素人考えだが、てっきり入院時からANCAなどの血液検査が提出されて、腎生検をするものだと思っていた。状態が落ち着いたら貴院通院にとあったが、これは腎臓内科外来(週1回大学病院からの応援)に回して診てもらおう。 

 

 S状結腸憩室炎で入院した53歳女性は、入院して抗菌薬(ゾシン)を開始してから解熱していた。腹痛はけっこうひどく、3日間アセリオ1000mgの点滴静注を1日2回使用していた。我慢しての2回で、我慢しなくていいとは伝えたが、「寝る前は使いたい、日中は1回までにしたい」と思っていたらしい。昨日の段階で、痛みがすっかりよくなり、空腹感を訴えた。

 入院してから下痢が続いて、ゾシンの影響とも思ったが、もともと下痢型の過敏性腸症候群のような便通の方だった。昨日の便は黒色(真っ黒ではない)だった。赤味はまったくなく、憩室出血がたまっていて排出された可能性もあるが、入院後心窩部痛もあって、その後改善していたので、胃のびらん性出血くらいあったのかもしれない。

 今日は炎症反応も改善して、昼から全粥を出したが、完食だった。腹痛の悪化はない。もう数日抗菌薬を継続して治癒になりそうだ。この方は10年前から、時々左下腹部痛が2~3日続いては治っていたそうだ、今回の症状の起こり始めと同じなので、軽度憩室炎を繰り返していたのかもしれない。下痢便が出た時と黒色便が出た時、携帯で撮影していて見せてくれた。なんだか今風。

 

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