なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

腹へった

2012年04月11日 | Weblog
 80歳台後半の女性。ほとんど寝たきりで、腰曲りがひどく、くの字になっている。認知症があり、在宅で介護していたが、浅い褥瘡が数か所にできている。発熱と意識障害で救急搬入された。右下肺野の浸潤影を認め、また尿の混濁が著しい。尿培養と血液培養2セット提出後に(喀痰培養はとれず)、肺炎および尿路感染症の診断で入院となった。入院してすぐに、「腹へった。食事はないのか。」と言う。経験上、腹へったという高齢者は助かるという法則があり、この方も軽快すると思われた。
 
 昨日はネキシウムの講演会があった。食道裂孔ヘルニアがひどく、胸腔内に持ち上がっている胃上部内に潰瘍が多発した80歳台前半の女性にネキシウムを処方している。この患者さんは内科クリニックで逆流性食道炎としてPPI(タケプロン15mg)が処方されていたが、それでも胃潰瘍が発生していた(NSAIDの内服はなし)。ネキシウムを使用したピロリ菌の除菌も、正式なデータは出ていないが成績がよいらしい。9月に長期処方が可能になれば、PPIはネキシウム一色か。
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