なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

息切れと咳

2012年04月17日 | Weblog

 70歳台後半の男性。5か月前(昨年の11月)から労作時の息切れが続き、内科新患を受診した。内科医院に心房細動・高血圧症で通院している。下肢の浮腫がある。血圧・心拍数(当然不整脈)・酸素飽和度は正常域。胸部X線で心拡大・少量の胸水貯留があり、BUPは300だった。心尖部に収縮期雑音が目立つ。同居の妻は今日デイサービスに行っているそうで、ひとりで受診していた。ふつうに話もできて病院内をちゃんと歩けた。明後日に心エコーを予約して(大学からの応援医師担当)、利尿剤(ラシックスとアルダクトン)を処方して1週間後に再受診とした。症状が悪化する時はすぐ入院治療とすることを伝えた。

 60歳台後半の男性。心房細動・心不全・高血圧症・糖尿病などで地元の病院に通院していた。2か月前から咳が続き、その病院など3か所を受診したが、よくならないため、当院内科新患を受診した。薬手帳を持って来なかったので、調剤薬局から処方箋をFAXしてもらった。かなりの肥満があるが、下腿浮腫はまったくなし。BNPは72と有意ではない。胸部X線で心拡大が目立つ。心拍数が正常域の心房細動を認めた。肺機能検査で混合性障害がある。1秒率50%台。気管支拡張剤投与による肺機能の改善の有無をみるのは、以前呼吸器科があったころから当院ではやっていない。喫煙歴はなし。聴診して強制呼気でも喘鳴は聴取しなかった。夜間早朝の喘鳴も自覚していないそうだ。炎症反応は陰性。処方にエナラプリルが入っていて、おそらく以前からなのだろうが、休止が好ましい(ARBのオルメテックも処方されている)。また気道過敏があるとすれば、βブロッカー(インデラル)も他剤に変更したほうがいいかもしれない。処方の変更と吸入ステロイドで経過をみるかどうか。今後の対応にあまり自信がもてない。通院している病院宛てに、症状と検査の結果を書いて、基幹病院の呼吸器科への紹介も勧めてみた。

 

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