70歳台後半の男性。循環器科に高血圧症で通院していた。昨年秋に咳で呼吸器科(大学医師担当)を受診して、胸部CTで胸膜直下にごく軽度の間質性陰影があったが、鎮咳剤で経過観察となっていた。1週間前から呼吸苦があり、市内の内科クリニックに行っていたらしい。日曜日の日中に当院の救急外来を受診して、当番の小児科医師が肺炎として入院させていた。新任の内科医師が当直だった。夜間呼吸困難・低酸素で喘息発作に準じてステロイドを使用していた。今朝外来で診ている循環器科医師に相談したが、BNPは有意な上昇がなく、画像上も心不全ではないと判断された。その後に私が相談された。胸部X線のみで胸部CTは撮っていなかったが、両側肺にびまん性に陰影があり、肺自体が縮小していた。間質性肺炎の急性増悪(あるいは急性間質性肺炎)と思われた。酸素飽和度はリザーバー付きマスク10L/分でもギリギリのところだった。基幹病院の呼吸器科に連絡して搬送するよう伝えた。搬送候補の病院を2か所決めて、どちらも受け入れ困難な時はまた相談とした。幸い一番近い基幹病院が受け入れOKで、すぐに搬送した。搬送した病院から、今日肺癌骨転移のある80歳台後半の女性が転院してきた。看取りまでのターミナルケア依頼だった。もっとも最近はターミナルと言わず、best supportive careという。
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