読書日和

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電通の高橋まつりさん過労自殺事件について

2016-12-06 22:39:50 | ブラック企業問題


昨年の12月25日、大手広告代理店の株式会社電通に勤務する高橋まつりさん(当時入社1年目で24歳)が自殺する事件がありました。
長時間残業と上司からのパワーハラスメントで精神的に追い詰められての自殺でした。
今年の9月30日、労働基準監督署から正式に労災認定されたことで事件が明るみに出ました。

まず私は電通は朝日新聞などの反日左翼マスコミと同じく極めて悪質な企業だと思っています。
ただ今回は従業員が過労で自殺する事件が起きたので、企業におけるブラック労働の観点から記事を書いてみます。

高橋まつりさんはツイッターをやっていて、苛烈な長時間残業と上司からのパワーハラスメントの様子をツイッターにつぶやいていました。
その一部をご紹介します。











100時間を超える長時間残業に加えて上司からのパワーハラスメント、これは地獄だと思います。
「君の残業時間の20時間は会社にとって無駄」は、100時間を超える長時間残業に苦しむ人がこのような言葉を浴びた時、受ける精神的ダメージが相当激しいものになると思います。
圧倒的な絶望感に苛まれるのではないでしょうか。
また、「髪ボサボサ、目が充血したまま出勤するな」とのことですが、これは上司が一日20時間仕事をさせたり、土日も出勤させたりして休む暇を与えていないのが原因です。
ろくに寝る時間もない地獄のようなブラック労働をさせておいて、「髪ボサボサ、目が充血したまま出勤するな」とブラック労働の現状と相反する表面上の正論を言うのは、聞くほうからするとその人物の酷過ぎるブラックさを目の当たりにし、強い人間不信に陥ると思います。
そしてただでさえ長時間残業で心身ともに疲れ切っているところにこれでは、かなりの確率でうつ病になるのではないでしょうか。
高橋まつりさんのツイッターも、自殺に向かうまでのツイート(つぶやき)を見ていくと、精神に深刻なダメージを負っているのではという雰囲気がありました。


高橋まつりさんの過労自殺事件が明るみになった後、波紋を呼ぶ事件がありました。
武蔵野大学グローバルビジネス学科教授の長谷川秀夫氏が、自身のフェイスブックで次のように発言していました。



「月当たり残業時間が100時間を越えたくらいで過労死するのは情けない」と言っています。
なぜか自殺に追い込んだ会社のほうではなく、自殺者のほうを非難しています。
これには猛批判が起こり、ネットが炎上する事件になりました。

まず大前提として、月当たり80時間の残業が、過労死のラインとして定められています。
これを超えるような残業をしていると過労死してもおかしくないということです。
武蔵野大学教授の長谷川秀夫氏は「月当たり残業時間が100時間を越えたくらいで過労死するのは情けない」と言っていますが、まずその認識がおかしいのです。
さらにこの発言は、「自分は残業時間が100時間を超えても大丈夫なのだから、周りも大丈夫であるべきだ。それが大丈夫でないとは、全く情けない奴だ」というニュアンスにも聞こえます。
当然人それぞれに個人差があり、過労死の危機に陥るラインがAさんは100時間、Bさんは80時間、Cさんは150時間、Dさんは220時間、というようになります。
残業耐性の極めて高いDさんが「俺は大丈夫なのだから、お前らも200時間の残業くらいで文句を言うな」とAさん、Bさん、Cさんに200時間の残業を強要すれば、この3人は過労死してしまう危険があります。
社会的に定められている過労死のラインを無視して、自分の価値観で長時間残業を押し付けてはいけないのです。
さらにこのフェイスブックの終わりの方では「転職を考えるべき」と言っていますが、うつ病状態になり死ぬことを考えるまでに追い詰められた人に転職活動をする気力が出ると思うのでしょうか。
仮にも大学の教授なのであれば、これらのことくらいは考えられる人であってほしいです。

そして「西一番街ブラックバイト」(著:石田衣良)の記事の最後に書いたように、上に立つ年配の人達がこのような認識だからなかなかブラック企業がなくならないのだと思います。
自殺に追い込んだ会社ではなく自殺するほうを非難する人間性に、私はゾッとしました。
自殺した人を「心が弱い」や「情けない」で片付けるのではなく、悪質なブラック企業が従業員に強いるブラック労働の環境を改善するほうに意識を向けてほしいです。


電通は1991年に「電通事件」という、入社2年目の社員が月の残業が140時間を超える過労で自殺する事件を起こしています。
上司は不調に気づいていたのに対処せず、安全配慮義務違反だったとのことです。
最終的に最高裁で原告と電通が和解したのですが、今回の高橋まつりさんの過労自殺事件は、この時と全く同じことが繰り返されてしまったということです。
ここに電通の自浄能力のなさが表されています。
私は伊藤絵美さんという臨床心理士の方のツイートで電通事件のことを知りました。
ツイートをご覧になる方はこちらをどうぞ。

先日電通は、NHKの取材に対して「うちの会社には自浄能力がない」と言った社員を、「戒告」の懲戒処分にしたとのことです。
これは上層部からの、「うちの会社に都合の悪いことを言ったら、お前らどうなるか分かってるんだろうな」という、他の社員に対する脅しと見せしめだと思います。
この行為から見て、電通は「地獄のようなブラック労働によって社員が自殺に追い込まれた」という事件を真摯に受け止めてはいないようです。
ちなみに労働基準監督署から正式に労災認定がされ、さらには労働基準法違反の疑いで東京労働局と労働基準監督署による立ち入り調査が入ったということは、既に社会的に「ブラック企業だ」と見られているということです。
ブラック企業は淘汰されていくべきだと思います。

※「電通がブラック企業大賞受賞、書類送検、さらに社長が辞任」の記事をご覧になる方はこちらをどうぞ。

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2 コメント

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人により耐久時間は千差万別 (タック)
2016-12-09 23:44:08
同じ条件で生きているわけではない。
通勤時間だけ考えても、往復10分の人の残業100時間と往復5時間の人の残業100時間は違う。
家の中の事情も違う。家事のすべてを他の人に任せられる人と、他の人の分も家事をしなければならない人もいる。
体調、天候、育った環境、体格、性格も全部違う。
同じ残業時間でも、あの人が平気だったから、この人も平気だという考え方が、そもそも大ざっぱすぎる。
皆同じ既製品ではないのが人間だ。
それを忘れて、人間の管理はできない。

なんて思いました。
タックさんへ (はまかぜ)
2016-12-10 17:23:37
人によって色々な差がありますね。
通勤時間の長い人や一人暮らしの人はそれだけ負担も大きくなります。
生まれ持った残業耐性も人によって大きな差があると思います。

人間は機械ではないので、ある人が残業100時間で問題ないから、他の人も一律で100時間で問題ないとはならないです。
そこを上司の立場の人が自分の価値観で「俺は大丈夫なのだから、周りも一律で大丈夫であるべきだ」と機械のように考えると、過労死の危険が高まると思います。
労働基準監督署が残業80時間を過労死のラインとしていることも経営者や管理職の人達によく認識してほしいところです。

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