今回ご紹介するのは「スプートニクの恋人」(著:村上春樹)です。
-----内容-----
22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。
広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋だった。
それは行く手のかたちあるものを残らずなぎ倒し、片端から空に巻き上げ、理不尽に引きちぎり、完膚なきまでに叩きつぶした。
そんなとても奇妙な、この世のものとは思えないラブ・ストーリー。
-----感想-----
この小説は先月吉祥寺に行ったとき、古本屋で購入しました。
以前「村上春樹のチルドレン」について触れましたが、今回はチルドレンではなく親分のほうの作品を読んでみようと思いました。
ラブストーリーはあまり読まないのですが、紹介文にあった「22歳」という文字が、私の興味を惹きました。
長いお付き合いの方は、私が22歳に思い入れがあったのをご存知かと思います。
そんなわけでこの作品を読んでみようと思いました。
読み始めていくと、ただのラブストーリーではないことがわかりました。
女性が女性を好きになるという話でした。
私はこの類の話は苦手なので、果たして最後まで読みきれるのだろうかと不安になりました。
しかしここで、村上春樹さんの真骨頂「クールな作品世界」が威力を発揮しました
とても淡々としていたので、わりと読みやすかったです。
きつい内容ではなかったので助かりました
物語に出てくる「すみれ」という女性が住んでいたのが吉祥寺なのは、面白い偶然でした。
吉祥寺で買った小説の中に吉祥寺が登場するとは、なんとタイムリーなことでしょうか
散歩もしたので、街並みを思い浮かべやすかったです。
ほかにも明治神宮前などの名前が出てきて、東京に縁のある人にとっては馴染みやすい作品の舞台だと思います。
またこの作品は比喩的な表現がかなり登場しました。
「そう、例えば○○のように」といった感じで、会話の中にたくさんの比喩がちりばめられていました。
普通に会話するとき、果たしてそんなに比喩を連発することがあるのだろうか…と突っ込みたくなるくらいです(笑)
とはいえこれも村上春樹さんの特徴のひとつ。
ただの会話を知的なものにしていて、読むのが楽しくなります。
この比喩的な表現を使った会話は、春樹チルドレンである伊坂幸太郎さんの作品でも登場します。
そういう意味では、今回は「元祖比喩表現」の力を垣間見た気がしました。
この作品はテーマがテーマなだけに、賛否が分かれるかも知れません。
それでもクールな作品世界や比喩的な表現など、村上春樹さんの良さは前面に出ていました。
今回は電車の中などで少しずつ読みましたが、軽妙な会話がたくさんあることから、まとめて読むのに向いているのではという印象を持ちました。
※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。
※図書ランキングはこちらをどうぞ。
-----内容-----
22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。
広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋だった。
それは行く手のかたちあるものを残らずなぎ倒し、片端から空に巻き上げ、理不尽に引きちぎり、完膚なきまでに叩きつぶした。
そんなとても奇妙な、この世のものとは思えないラブ・ストーリー。
-----感想-----
この小説は先月吉祥寺に行ったとき、古本屋で購入しました。
以前「村上春樹のチルドレン」について触れましたが、今回はチルドレンではなく親分のほうの作品を読んでみようと思いました。
ラブストーリーはあまり読まないのですが、紹介文にあった「22歳」という文字が、私の興味を惹きました。
長いお付き合いの方は、私が22歳に思い入れがあったのをご存知かと思います。
そんなわけでこの作品を読んでみようと思いました。
読み始めていくと、ただのラブストーリーではないことがわかりました。
女性が女性を好きになるという話でした。
私はこの類の話は苦手なので、果たして最後まで読みきれるのだろうかと不安になりました。
しかしここで、村上春樹さんの真骨頂「クールな作品世界」が威力を発揮しました

とても淡々としていたので、わりと読みやすかったです。
きつい内容ではなかったので助かりました

物語に出てくる「すみれ」という女性が住んでいたのが吉祥寺なのは、面白い偶然でした。
吉祥寺で買った小説の中に吉祥寺が登場するとは、なんとタイムリーなことでしょうか

散歩もしたので、街並みを思い浮かべやすかったです。
ほかにも明治神宮前などの名前が出てきて、東京に縁のある人にとっては馴染みやすい作品の舞台だと思います。
またこの作品は比喩的な表現がかなり登場しました。
「そう、例えば○○のように」といった感じで、会話の中にたくさんの比喩がちりばめられていました。
普通に会話するとき、果たしてそんなに比喩を連発することがあるのだろうか…と突っ込みたくなるくらいです(笑)
とはいえこれも村上春樹さんの特徴のひとつ。
ただの会話を知的なものにしていて、読むのが楽しくなります。
この比喩的な表現を使った会話は、春樹チルドレンである伊坂幸太郎さんの作品でも登場します。
そういう意味では、今回は「元祖比喩表現」の力を垣間見た気がしました。
この作品はテーマがテーマなだけに、賛否が分かれるかも知れません。
それでもクールな作品世界や比喩的な表現など、村上春樹さんの良さは前面に出ていました。
今回は電車の中などで少しずつ読みましたが、軽妙な会話がたくさんあることから、まとめて読むのに向いているのではという印象を持ちました。
※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。
※図書ランキングはこちらをどうぞ。