読書日和

お気に入りの小説やマンガをご紹介。
好きな小説は青春もの。
日々のできごとやフォトギャラリーなどもお届けします。

「陽気なギャングが地球を回す」伊坂幸太郎

2008-02-08 20:32:11 | 小説
今回は、「陽気なギャングが地球を回す」(著:伊坂幸太郎)を読んでみました。


-----内容-----
嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。
この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった……はずが、思わぬ誤算が。
せっかくの「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ!
奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、そして死体も出現。
映画化で話題のハイテンポな都会派サスペンス!


-----感想-----
四人の天才たちとあるように、この本には主役級が四人いて、それぞれが天才的な能力を持っています。
「嘘を見抜く名人」 成瀬(なるせ)。
「天才スリ」 久遠(くおん)。
「演説の達人」 響野(きょうの)。
「精確な体内時計を持つ女」 雪子(ゆきこ)。

この四人の連係プレイにより、百発百中の鮮やかな銀行強盗が可能となる。
まず、成瀬、久遠、響野の三人が銀行に押し入る。
「演説の達人」響野が銀行員たちの注意を引きつけているうちに、成瀬と久遠が金庫を開けさせてお金を奪う。
嘘の金庫番号を教えても、「嘘を見抜く名人」成瀬に見破られ、「天才スリ」久遠には財布をスラれ、従わざるをえなくなる。
お金を手にしたら、速やかに銀行の外へと逃走。
ドンピシャリのタイミングで、「精確な体内時計を持つ女」雪子の運転する車が迎えに来る。
あらかじめ、強盗開始から逃走までの秒数を決めてあって、精確な体内時計を持つ雪子はその時間に合わせて銀行の前に車を走らせてくるのだ。

まるでルパン三世のような鮮やかな手口。
基本的にこの四人は人に危害を加えるようなことはしない。
迅速に、鮮やかに、風が通りすぎるかのように、銀行強盗を成功させる。

そんな四人が、ある日逃走中に別の強盗にお金を横取りされてしまい、そこから物語は動き始めます。
横取りされたお金を奪い返そうとする四人ですが、犯人グループのうち1人のアパートを訪れてみたら、そこには死体が転がっていたのです。
犯人グループ側の仲間割れなのか?という疑問を抱きながら、残りの犯人たちを追う四人。
だが、四人の中にも、不穏な気配が。。。

中盤から後半にかけては、ハラハラする展開が続きました。
特にクライマックスの展開は二転三転して面白かったです
裏の裏を読んだはずが、実は相手に読まれていて、でもさらにそれを先読みしていて…みたいな展開になっています。
成瀬が四人のリーダーなのですが、最後の対決では成瀬の頭脳が大活躍でした
そこまで読んでいるのか、と驚きました。
この四人組も「銀行強盗」なので犯罪者ですけど、それを感じさせない明るさがありますね。
そして、舞台が横浜なのも良いなと思いました
最初に強盗に入った「港洋銀行」は、横浜の関内近辺にあるという設定になっていました。
知っている場所が舞台だと親近感が沸きますよね
山下公園付近の景色を思い浮かべながら読むことができました。

次の伊坂作品は「重力ピエロ」を読む予定です。
今から楽しみになってきました

※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする