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読書日和

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「もものかんづめ」

2007-09-02 21:03:17 | ノンフィクション・エッセイ
数日前から気になっていた「もものかんづめ」(著:さくらももこ)を読みました。
ある方から「もものかんづめ」、「さるのこしかけ」、「たいのおかしら」のエッセイ三部作が面白いと紹介してもらいました。
それがきっかけで今回「もものかんづめ」を読んだのですが、想像以上に面白い内容で思わず吹き出しそうになりました(笑)
内容は短編のエッセイが17編収録されています。
そのどれもが日常的な話なのですが、さくらももこさんが書くと日常的な話が笑える話に変身しますね
その辺りは三浦しをん先生のエッセイと似ているかも知れません。
で、この「もものかんづめ」ですが、爆笑すると同時に、さくらももこ先生の作家としての度量を知ることもできました。
メルヘン翁」という話で、さくらももこさんの祖父が亡くなったときのことが書かれていました。
どうやら祖父は性格が悪かったらしく、家族からは嫌われていたとありました。
実はこの亡くなったときのエピソードがかなり爆笑する内容で、不謹慎ながら私も爆笑してしまいました。
100人が読んで99人は爆笑する内容だと思います。
でもこの「メルヘン翁」が雑誌に掲載されたとき、「身内のことを、こんなふうに書くなんて、さくらももこってひどい。もう読みたくない」という手紙が、編集部に2、3通届いたそうです。
このときさくらももこさんは「そうか、もう読みたくないか、それじゃ仕方ないな」という感想だったそうです。

「私は自分の感想や事実に基づいた出来事をばからしくデフォルメすることはあるが美化して書く技術は持っていない。それを嫌う人がいても仕方ないし、好いてくれる人がいるのもありがたいことである。」

↑上の文はさくらももこさんの作家としての姿勢がわかる一文でした。
無理に好かれようとはしない芯の強さを感じました。
それに、「メルヘン翁」は本当に笑える話でした。
こんなに楽しいエッセイを書ける人なんてそうそういないと思います。
ぜひ「さるのこしかけ」と「たいのおかしら」も読んでみたいと思います
ではまた

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