湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

実りの冬と実りの秋

2005-09-24 16:27:15 | 自分四季報


本来ならば、今ごろイチゴの苗植えを手伝っていたはず。
妻の実家がイチゴ農家なので、毎年秋には苗植えやハウスのビニール貼りなどの手伝いに借り出される。
苗の入った重いコンテナを運んだり、とび職のようにビニールハウスの上に乗って作業をしたり。ふだん使わない筋肉を使うので、翌日(いや翌々日かな)は筋肉痛でたいへんだ。
それでも僕にとってはとても楽しい作業で、今年もやる気マンマンだった。
だって、やがて花を咲かせ実をつけ、それがあの真っ赤で甘いイチゴになるのですよ(途中の作業は手伝わないのだから偉そうなことは言えないけれど)。
ところが、雨の予報で中止の連絡あり。明日は娘のバレーボールの試合会場への送迎当番なので、手伝えるのはちょっと先になりそうだな。
さて、午後娘を練習会場へ送った帰り道、両側に広がる田んぼにはすっかり穂が垂れた稲が、もう刈り取っておくれよぉと言っていた。
今晩から台風が近づくので、耐え切れずにきっとみんな寝そべってしまうだろう。


ショッピングセンターで「えのすい」のPR中  みなぞう君のマスコット。色に違和感…

好天の運動会の思い出

2005-09-23 23:36:42 | あんな話こんな話


そこまでいい天気にならなくてもいいだろ。
いくら年に一度の運動会だからといって。
日焼け止めをたっぷり塗ったのに、首筋がヒリヒリしている。
今日は娘の小学校の運動会。
一クラス20数人で2クラス。それが6学年だから、生徒数は知れている。
父兄や地域の人たちを含めても、校庭はとても広すぎる。
それでも、強くまぶしい陽射しの下、子供たちの元気な歓声が響き渡っていた。
思い起こせば6年前の運動会の日の夜(正確には翌未明)、僕は生まれて初めて救急車で救急病院に搬送された。
駆けつけた救急隊の方に症状を話すと
「ん~、たぶん尿管結石ですね」
そして、目の前で冷や汗を流し悶絶している僕に向かい
「とにかくこれは痛いらしいですね」
と、まさに他人事のように言われたのを思い出す。
でも、この冷静さが、痛みと不安でパニックになっていた僕をすっかり落ち着かせてくれたのだ。実に心得た一言だった。
あの日の運動会も、今日のようにとても暑い日。
だから今日はたっぷりすぎるほど水分を採ったけど、それでも明け方がちょっと怖い。


みんなごくろうさまの夜

2005-09-23 02:26:46 | あんな話こんな話


というわけで、大船~藤沢間で起きた人身事故の影響で、こんな時間になってしまった。
駅に着くと、タクシー待ちの長い列。その横を歩きながら、最後尾の人が家に着くのはいったい何時になるのかと、いらぬ心配をしてしまう。頑張れ。
駅前の道をゾロゾロ歩く僕たちも無言の行進だ。みんな背中が疲れている。
頑張れ、お家はもうすぐだ。
帰りに時々寄るコンビニから、そこのオーナーが出てきたので挨拶。彼も帰宅だ。
近所の牛乳屋さんは、もうガチャガチャと音を立ててケースを運んでいた。
みんな頑張ってるね、ご苦労様。
明日も、いい日になるといいな。

246あたりを8の字に10分

2005-09-22 01:03:33 | 仕事のついで東京散歩


ただ歩いているだけなのに、すれ違う人の英会話がよく聞こえてくる。
今日は仕事で青山に出掛けた。
そのついでに、いつものように10分散歩。
といっても、あまりにも魅力的なものがあふれ過ぎていて、散歩にはかえって不向きな気がする。
どれどれと思って一本奥の道に入っても、あちこちでちょっとおしゃれなお店が光を放っていたり。
誰かにとっては素敵でも、僕にとっては楽しい散歩にはならなかった。


子供の城の前に立つ岡本太郎氏作子供の塔  とあるビルにはロケットが隠されている

建築中の建物のフェンスだっておしゃれだ   フルーツがいっぱいのケーキがいっぱい


とにかく他ではこんな看板は見ないな絶対   古い家もどこかおしゃれなのだ 

中央CARがNEWYORKER

2005-09-20 23:56:30 | 自分四季報


紅葉、赤とんぼ、すすき、さんま、虫の声、栗…
秋を感じるものはいろいろあるけれど、今日は中央線の車内で秋を見つけた。
車内の広告がすべて『NEWYORKER』の秋冬イメージに統一されていたのだ。
それも、タータンチェック柄で!
もう一気に秋モードに突入だ。
“買い切り”というのかどうかは知らないけれど、こういう季節感に訴えかける企画はとてもいい。
『NEWYORKER』の好感度は確実に32%はアップ(数字に何の根拠もなし)。といっても、残念ながら僕には縁がないけれど。


星のおじさま

2005-09-19 20:44:34 | 湘南ライナーで読む


「館長くんてさ、星の王子様だよね」
突然、そんな声をかけられたのは20代前半の頃のことだった。
前の職場で、しかも別のセクションの役付者Kさんから。
「はぁ?」
「読んだことない?」
「はぁ。でも、王子様って…」
「うん、じゃなかったら、その作者のサンテグジュペリに似てるんだよね」
「はぁ、ありがとうございます」
何のことだかサッパリわからなかった。
でも、だからといって『星の王子様』を読んでみようとも思わず、今日になってしまった。
それが、以前興味深く読んだ『ハワイイ紀行』の著者である池澤夏樹氏による新訳が出たというので思い切って読んでみた。
読んでみたら、面白かった。後半はワクワクしてきて、読みながら顔がニコニコしてきてしまって、一気に読んでしまった。
でも、考えさせられた。考えてわからなくなっちゃったところもあった。
でも、ハッキリわかったのは、20代の頃のあのKさんの一言が単なる勘違いであったこと。
Kさんにとっては僕がどこか他の星からやってきた宇宙人という印象だったのかもしれない(“新人類”世代ではなかった)けれど、僕は星の王子様のように、サンテグジュペリのように、ピュアではなかった。恥ずかしいくらい似ても似つかない。
本当のことをいえば、ずっと読むのが怖かったのだ。
「似ている」といわれた人物が、どんなキャラクターなのか知るのが怖かったから。
勘違いとはいえ、決して悪い意味での勘違いでなったことがわかっただけでも、よかった。
もう長いこと会っていないけれど、Kさんの中では僕は今でも星の王子様なのだろうか。
すっかり『干しのおじさま』になっちゃったけど。