この前を通る度に気になっていた小田原は錦通り商店街の『相住食堂』。今日は暖簾が出ていたので、迷わずくぐってみた。
薄暗い店内は、いきなり昭和。時が止まっている。おばちゃんが着ているいかにも大衆食堂のという昔ながらの上着の白が浮き上がる。
腰をおろそうと目を手元に転じると、使い込まれた赤い椅子が、今度は渋い光を放っていた。そして、いかにも小さい。お尻の片方しか乗らないといったら大げさか。今はきっと手に入いらないだろう、これぞ昭和サイズである。
おばちゃんは、厨房を背にホールを向いて簡易なカウンターを前に立つ。厨房との境にある小窓を開けておばちゃんがオーダーを通す、出来た料理を受けとる。これまた昭和スタイルだ。時代が変わっても、ここではずっと続けられていくだろう。
こういうお店だからこそあえて洋食的なメニューをと思ったのだが、残念ながらチキンライスしかなく(オムライスを期待したんだけど)、結局この後の縁起を担いで「かつ丼」(900円)を頼む。
おや、後から来た客5人は全員「うな丼」(1500円)を注文したぞ。そういえば、表に「うなぎ」って看板が出ていたような肝吸い、いや気もする(笑)。
カツ丼は、残念ながら衣のサクサクはまったくないタイプだったが、なかなかイケる。見た目ほど味は濃くない。厚みこそないが、いい肉を使っているようだ。僕には上質すぎるけど。
ガーッとかっ込んでしまったので、食べている間に他のテーブルにうな丼は現れず盗み見ることはできなかったのが残念。みんな入ってくるなり「うな丼」と言うのだから、よっぽど名物なんだろうなぁ。
おぉ、やっぱり「うなぎ」と書いてあった!